3年夏合宿の噺。お次は『浮世床』の上。将棋と本の場面だ。
音源が手に入らず、興津要編『古典落語』で覚えた。本で覚えちゃいかんよなあ。
これも三代目紫雀さんが勧めてくれた。
正直言って、演りたくてしょうがないって感じではなかった。とにかく3本の噺を持っていきたかったんだな。
当時はこういうわいわいがやがやの噺には、あまり魅力を感じなかった。啖呵を切るとか、酒に酔うとか、ちょっとほろっとするとか、見せ場のある噺を演りたがっていたなあ。
こんなふうに、大したストーリーもない、登場人物がじゃれ合っているような噺こそ難しいのだよ。これこそ落語だ、と言ってもいい。とやっと思えるようになった。
後半の夢の場面も覚えれば、こっちはストーリーとしても起伏があって面白いし、十分トリネタにもなっただろう。ただ、こっちは芝居の場面があり、『湯屋番』で夢楽師匠から「学生さんには芝居の噺は無理だよ。」と言われたのがブレーキをかけていたのかもしれない。
発表会で演っただけで、客前では演らなかった。
プロの落語家さんみたいに、寄席で毎日落語を演るといった状況だったら、きっと重宝なネタになったろうな。軽やかに自らも遊ぶように喋ってみたいと、今にして思う。
そう考えると、寄席のシステムってすごいな。毎日客前で喋る。それも、客は自分を目当てに来ているとは限らない。そこで聴かせようというのだ。工夫もするだろうし、反応は直に感じられる。そりゃあ力になるわな。しかも、楽屋で先輩方からアドバイスが貰えたりもするのだ。羨ましいなあ。
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