平日の休み。
朝、パン、コーンスープ、卵とウィンナーソーセージの炒めもの。パンにはタルタルソースが私は好き。
子どもたちと図書館に行く。『ビートルズ』(アラン・ゴズィン著、角松天訳)を借りてくる。
しばらく前に録画していた落語研究会の春風亭一之輔『鰻の幇間』を観る。
上手いよな。ギャグも斬新。一緒に見ていた次男がげらげら笑っていた。
ただ、私は入っていけなかった。確かにギャグのセンスはいい。しかし、幇間が登場し、浴衣がけで湯に行く客がいて、9円75銭の勘定が発生する世界を、それは壊してはいなかっただろうか。
不味い鰻屋を強調するあまり、酒も新香も鰻も、一口食べて後は食べられなくなってしまった。その結果、客がはばかりへ行った後、一八は一人で飲み食いできなくなってしまった。ものには程というものがある。あれは不味いにしても、全然口にできないものであってはならない。
一八が「おれはこの仕事が向かないんじゃないかと思ったこともあった」と述懐するくだり、10円札を出すときに、弟とのエピソードを吐露するあたりは、一之輔の了見を感じさせてくれてよかった。野だいこの切なさをよく描いていたと思う。
解説の京須偕充が「笑いをもうちょっと少なくしていいのではないか」と言っていたが、私も賛同したい。
で、古今亭志ん朝の『鰻の幇間』もDVDで観てみる。同じ落語研究会の高座(1984年)のものだ。
心を奪われたよ。「団菊爺」みたいで嫌だけど、私の世代はこっちだな。高座がきれいでギャグが設定やセンスに頼っていない。笑わせるにしても、あくまで人間で笑わせているんだ。
昼は次男が作ってくれたサッポロ一番味噌ラーメン。久し振り。旨し。
午後、八代目桂文楽の『鰻の幇間』をレコードで聴く。
ああいいなあ。笑いは少ないが、明治大正の香りが濃厚に立ち上る。
今、この噺のサゲは客が一八の下駄を履いて、自分の草履は新聞紙でくるんで帰るという古今亭の型が主流だが、私はそこまでやらない文楽の型が好きだな。あそこまでやると後味が悪い。
妻は昼過ぎまで仕事。二人で夕方ビール。
夕食は鶏の塩麴焼き、肉じゃがで府中誉の燗酒。食後は妻とワイン。
風呂に入って、アイリッシュウィスキー。
一日いい天気で暖かかった。紅葉も大分進んだね。
息子さんとよくお出かけしている様子が、日記に書かれていますね。古本屋、図書館に行ったり、趣味が合う仲良し親子ですね。お家で、「ねえ、お父さん落語やって」とか言われることってないんですか?
返信削除大学生ともなると、「落語やって」とは言いませんね。
返信削除小さい頃は寝かしつけに「寿限無」とか「権兵衛狸」を聞かせていましたが・・・。
これで酒でも飲めるようになると、嬉しいですなあ。
寝かしつけに落語、なんて贅沢・・。
返信削除熱演はしていません。
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