私には趣味がいくつかあるが、その中で「絵を描く」というのが、いちばん長く続いているのではないだろうか。
本を読んだり、落語や音楽を聴いたりするよりも、ずっと前から、私は絵を描いてきた。
保育園の頃、ヤスコ先生は、私の親に「絵を習わせたらどうか」と勧めたらしい。もちろん農民だった両親はそんな誘いには乗らなかった。乗ろうとしたところで、近くに絵を教える所なんぞなかったのだからしようがない。
絵を教わるどころか、私は好き勝手にいたずら書きをするだけで、美術部にも入らなかったし、高校では音楽の授業を選択した。(レコードを聴いていれば単位をくれると聞いていたからである)
だから、デッサンはなっていないし、彩色も下手だ。人を感心させるようなテクニックは持ち合わせていない。
ただ好きでずっと描いてきただけだ。日記を書くように、私は絵を描いてきた。
思ってみれば、絵も文章も落語も、私はそれで食っていこうとは思わなかった。自分の才能に自信がなかったし、それに人生を賭けるほどの覚悟もなかったのだろう。
でも、私はそれでよかったと思っている。ウケてもウケなくても好きなようにやっていられるから。(もちろん目の前にそれを見てくれる「お客」がいれば、楽しんでもらえるように努めようとは思っている)
そんなわけで今も私は絵を描く。最近は細かい絵を描いていると、気持ちが落ち着くのだ。それに、自分で言うのも何なのだが、私は自分の絵を見るのも好きなのである。
需要があるかどうかは分からないけど、これからもたまに描いた絵を載せていく。よろしくお付き合いの程を願っておきます。
新作。谷中のおでん屋。 |
阪神淡路大震災が起きた日。 |
石岡市高浜。愛郷橋のたもと。 |
沖縄の弁当屋。 |
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万年筆で描いた土浦の吾妻庵。 |
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