2023年5月2日火曜日

江北図書館

村上春樹の新作『街とその不確かな壁』を読んだ。今回は図書館が重要な役割を担う。主人公は「街」の図書館の夢読みとなり、この世界では福島の町営図書館の館長となる。この町営図書館が、なかなかに魅力的。ほぼ初代館長の私設図書館のような特異な運営がされている。

これを読みながら、高山T君がLINEで教えてくれた図書館をずっとイメージしていた。

それは、滋賀県長浜市木之本にある、江北図書館である。以下、高山T君のレポートである。


先日、滋賀県長浜市木之本をぶらぶらした。北国街道沿いの街並みが良かった。

秀逸だったのは、駅前にある江北図書館で、なんと120年続く私立図書館なのだ。私立ゆえに自前で建物を建てられず、あっちこっちを間借りしていたが、現在の建物も築85年。困った挙句、クラウドファンディングで寄付を募ったら、2000万円集まったという、とても愛されている図書館なのだ。

訪ねたところ、良い意味での? ほったらかし具合で、1階は小さいながらも図書館の体をなしていたが、2階は物置に近かった。しかし、そこは今ではお目にかかることができない本の宝庫であり、それを手に取って自由に読むことができるのだ。

その一部をお目にかけよう。






 







村上の小説に出てくる福島の図書館は、初代館長が経営していた酒の醸造所の建物を使っていた。この辺りも同じ匂いがするな。ただ、その図書館の運営は、いかにも村上らしい整然としたものだったけど。

うちの庭の片隅に父が建てたプレハブがある。この頃あまり使っていないようだ。物置から本をセレクトしてきて公開してみようかな。来館者にはコーヒーでも売りつけて小遣い稼ぎしたりして。老後の楽しみに、どうかねえ。

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