小学館から出た、「永遠の詩」シリーズ全8冊の、最後を飾る本である。
私が八木重吉の名前を知ったのは、20年ほど前か。確か、新潮文庫から出ていた、『近代名詩選』(上・中・下)の中に、彼の作品が入っていたのだ。
重吉の詩は短い。ほんの1センテンスのものが、けっこうある。
「かなしみと/わたしと/足をからませて たどたどとゆく」(悲しみ)とか、「ほそい/がらすが/びいん と/われました」(ほそい がらす)とか、まるで自由律の俳句や啄木の歌のようだ。
石川啄木が妻子から逃げるように借金を重ね遊興にふけり、自由律俳句の尾崎放哉や種田山頭火が実社会そのものを捨てたのに対し、八木重吉は、生涯を通して、敬虔なクリスチャンであり、よき夫、よき父、よき教師として生きた。重吉の詩には、そんなふうに誠実に人生に向き合う姿勢と、生きることのかなしさにあふれている。
しかし、重吉は愛する妻や子を遺し、29歳で結核で死ぬ。
「桃子/お父ちゃんはね/早く快くなってお前と遊びたいよ」(春)なんて、涙なくして読めないよなあ。
そして、二人の子どもも、10代で、父と同じ結核で死んでしまうのだ。重吉の妻、とみの悲嘆たるや想像を絶するものがある。
しかし、とみは戦火の中でも、重吉の詩稿を守り通した。そして、歌人吉野秀雄と再婚し、吉野の援助を受けて、『八木重吉詩集』を世に出すことになる。
今、私たちが重吉の詩を読むことができるのは、とみのおかげであり、とみを助けた吉野秀雄のおかげである。重吉の人生は短かったが、その言葉は永遠のものとなった。それも、重吉が愛し、重吉を愛した人たちの力があったが故のことだ。
この奇跡のような美しい言葉を、私は大切に大切にしていきたいと思う。
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2014年4月25日金曜日
2014年4月22日火曜日
若葉の季節
桜の時期が過ぎると、若葉の季節ですな。
うちの柿の葉も色鮮やかに萌え出してきました。
この季節は、仕事が回り出して、その分、細々とした行き違いやトラブルなんかが起きてくる頃で、もともと私は苦手なのだが、それでも、この景色はいいもんだ。木々の緑は、こんなに多彩なんだと感動すら覚えます。
こうなると、「目には青葉 山ほととぎす 初鰹」となるんでしょうが、どうやら今年は鰹が不漁らしい。
海の水温が低いというのと、固体そのものが減少しているというのが、考えられる原因だという。
鰹は大好きだが、なくなってしまっては元も子もない。しばらくは我慢して、ほどほどに楽しむことにしようと思います。
「友がみな我よりえらく見ゆる日よ/花を買い来て/妻としたしむ」という啄木の歌が何だか心にしみる。
偉いのは友ばかりじゃない。皆それぞれに偉いのだろう。
ってことは、私もまた、ちょっとぐらいは偉いってことだよね。
裏山も新緑。いいねえ。
2014年4月20日日曜日
サイノ サイノランチ
先日、つくばのQ’tに時計を直しに行った時の昼食。
3階のレストラン街にあるサイノというカレー屋。
店員さんは全て本場の方々。厨房にはヒンドゥー語と思しき言語が飛び交っている。
サイノランチ。2種類のカレー、サラダ、サフランライス、ナン、これにソフトドリンクが付いて1000円。
カレーは好きなのを頼める。私はチキンとマトンをオーダー。マトンの方がちょいと辛い。両方とも旨かったねえ。
けっこうなボリューム。ナンなんか皿からはみ出ているもんな。満足満足でした。
3階のレストラン街にあるサイノというカレー屋。
店員さんは全て本場の方々。厨房にはヒンドゥー語と思しき言語が飛び交っている。
サイノランチ。2種類のカレー、サラダ、サフランライス、ナン、これにソフトドリンクが付いて1000円。
カレーは好きなのを頼める。私はチキンとマトンをオーダー。マトンの方がちょいと辛い。両方とも旨かったねえ。
けっこうなボリューム。ナンなんか皿からはみ出ているもんな。満足満足でした。
2014年4月19日土曜日
散歩の途中
古い町並みを見ながら、カメラをぶら下げて散歩するのが好きだ。
気に入った建物を見つけると、せっせと写真に撮っている。
私好みの建物は、記録しておかないと、いつの間にかなくなってしまうのだ。
なかなか忙しくて、のんびり散歩をする時間が取れないが、隙を見つけてはうろうろしている。
本当は、ふと見つけた蕎麦屋に、ふらりと入って一杯、なんてのをやりたいけど、そういうのは、まだまだ先の話になりそうだねえ。
大洗を散歩した時撮った、お菓子屋さんの建物。しぶいねえ。
こっちも大洗。どうやら営業中の様子。
こちらは鉾田。忠魂碑の桜が見事でした。
これも鉾田。看板によると履物と青果のお店。面白い取り合わせですな。
気に入った建物を見つけると、せっせと写真に撮っている。
私好みの建物は、記録しておかないと、いつの間にかなくなってしまうのだ。
なかなか忙しくて、のんびり散歩をする時間が取れないが、隙を見つけてはうろうろしている。
本当は、ふと見つけた蕎麦屋に、ふらりと入って一杯、なんてのをやりたいけど、そういうのは、まだまだ先の話になりそうだねえ。
大洗を散歩した時撮った、お菓子屋さんの建物。しぶいねえ。
こっちも大洗。どうやら営業中の様子。
こちらは鉾田。忠魂碑の桜が見事でした。
これも鉾田。看板によると履物と青果のお店。面白い取り合わせですな。
2014年4月16日水曜日
古井由吉『槿(あさがお)』
主人公、杉尾と、彼をめぐる3人の女の物語。
献血場で知り合った井出伊子。同級生の妹、萱場国子、酒場の女将。この女が3人とも、何かしらの傷を抱え、微妙にバランスを崩している。
古井の小説には、こういうバランスを崩した女がよく出てくるな。
伊子は、自ずから痴漢を呼び寄せてしまう。国子は過去に何者かに辱められていた記憶を持つ。女将(彼女は過去に1度だけ杉尾と関係を持っている)の自宅マンションの二つ上の階の部屋では、殺人事件が発生する。
ちっとも具体的でない描写。独特の言い回し。時間軸も過去と現在を行き来する。決して読みやすい話ではない。
でも、これが癖になる。
仄暗い、しかし、闇の中に白く浮かび上がってくるような、どこか湿り気のあるような、そんな感じの文章。(どんな感じだ。)それが、決して甘くはない官能を掻き立てる。
ま、自分でも何書いているか分かんなくなってきたけど、古井由吉だけの世界が、そこにあるのだ。
落語でも何でもそうだが、その人だけのものを掴んだ者が勝ちなんだよな。
もつれもつれあいながら、やがて、3人の女のうちの1人、萱島国子の過去の傷の全容が露わになってゆく。
息もつかせぬ面白さってわけじゃない。だけど、あわあわと惹き込まれていく小説だったなあ。
献血場で知り合った井出伊子。同級生の妹、萱場国子、酒場の女将。この女が3人とも、何かしらの傷を抱え、微妙にバランスを崩している。
古井の小説には、こういうバランスを崩した女がよく出てくるな。
伊子は、自ずから痴漢を呼び寄せてしまう。国子は過去に何者かに辱められていた記憶を持つ。女将(彼女は過去に1度だけ杉尾と関係を持っている)の自宅マンションの二つ上の階の部屋では、殺人事件が発生する。
ちっとも具体的でない描写。独特の言い回し。時間軸も過去と現在を行き来する。決して読みやすい話ではない。
でも、これが癖になる。
仄暗い、しかし、闇の中に白く浮かび上がってくるような、どこか湿り気のあるような、そんな感じの文章。(どんな感じだ。)それが、決して甘くはない官能を掻き立てる。
ま、自分でも何書いているか分かんなくなってきたけど、古井由吉だけの世界が、そこにあるのだ。
落語でも何でもそうだが、その人だけのものを掴んだ者が勝ちなんだよな。
もつれもつれあいながら、やがて、3人の女のうちの1人、萱島国子の過去の傷の全容が露わになってゆく。
息もつかせぬ面白さってわけじゃない。だけど、あわあわと惹き込まれていく小説だったなあ。
2014年4月13日日曜日
2014年4月8日火曜日
花見をしながら、ちょっとだけ考えた
先日職場の仲間と花見をした。
海鮮のBBQに、もつ焼きやら焼きそばやら。差し入れの大吟醸酒が旨し、でした。
しかし、この花見というのはいいねえ。
満開の桜の下で、飲み食いせずにはいられないってのも、まあ日本の美しい文化なんでしょうな。
お酒も、料理も、文化も芸能も、私ゃ日本が大好き。私を生み育んだ風土を、私は素直に愛しているし、誇りにも思っている。
だからこそ、同じように、他の国の人も、自国の文化や風土を愛しているんだろうと思うし、そんな気持ちを尊重したい。
他を貶めることで自分を上げるなんて、さもしいことだと思う。相手がやってるから自分も、なんてのも、みっともないことだ。
ま、日本という国は素晴らしい国ですよ。私にとっては、他と比べようもない絶対的な存在です。敬うことを無理強いする必要なんてないですよ。
海鮮のBBQに、もつ焼きやら焼きそばやら。差し入れの大吟醸酒が旨し、でした。
しかし、この花見というのはいいねえ。
満開の桜の下で、飲み食いせずにはいられないってのも、まあ日本の美しい文化なんでしょうな。
お酒も、料理も、文化も芸能も、私ゃ日本が大好き。私を生み育んだ風土を、私は素直に愛しているし、誇りにも思っている。
だからこそ、同じように、他の国の人も、自国の文化や風土を愛しているんだろうと思うし、そんな気持ちを尊重したい。
他を貶めることで自分を上げるなんて、さもしいことだと思う。相手がやってるから自分も、なんてのも、みっともないことだ。
ま、日本という国は素晴らしい国ですよ。私にとっては、他と比べようもない絶対的な存在です。敬うことを無理強いする必要なんてないですよ。
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