ページビューの合計

2015年4月15日水曜日

汁物で飲む

さて酒のつまみで肝心なのは、水気である。
豆腐も刺身も水気のものだ。魚の干物だって焼けば、まるっきりぱさぱさしているわけじゃない。
では乾きものの立場はどうなるのか、との声が聞こえる。
だが、あれはむしろウィスキーとの相性が良い。ミックスナッツなどをぽりぽりやりながらウィスキーを口に含む、なんていうのはいいものだ。
いい酒でも、わずかに口中にべたつきは残る。それを水気が洗ってくれる。
水気のあるつまみはそこがいい。
ということは、究極を言うならば、それは「汁物」にとどめを刺す。 

で、本題。 実は私、汁物で酒を飲むのが好きなのだ。
実際に酒のつまみを見渡してみよう。汁物の逸品が多いことに気づく。
おでん、煮込みなんか定番だな。鍋料理一般もそうだろう。
グレードを上げれば、松茸の土瓶蒸し。
粋にいくのであれば、蕎麦屋の裏メニュー、天抜き、鴨抜きといった類い。
具をつまみつつ盃を傾ける。汁を一口含むことで、口中にわずかに残る酒の甘味を消してくれる。それに、汁は腹にたまらないところが、またえらい。
桂文楽の『酢豆腐』ではないが、つまみは「腹にたまらなくて衛生にいい、他から見て体裁のいい」のがいちばんだ。(腹にたまるのは酒が進まなくっていけないねえ。)
となると、汁物、数ある酒のつまみの中でも最適に近いのではないだろうか。 

余談だが、家の晩酌だと味噌汁がけっこういける。具だくさんのけんちん汁、豚汁は言うまでもない。蜆汁も肝臓に良さそうで、酒のつまみとしては理に適っている。ありふれたものでも、葱と豆腐(鍋物の具材としても定番ですな)の味噌汁、大根と油揚げの味噌汁七味唐辛子を振り掛て、などもお気に入り。
ま、酒のつまみとしては派手じゃないけど、私としちゃ側にいてくれるとほっとする存在なんだよね。

6 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

汁物と酒、ありがとうございます。今は正月の内で、雑煮など毎日食すんですが、私の雑煮はしょうゆ味のカツオダシで、具は鳥肉、ささがきごぼう、高野豆腐。そこに煮た角餅を入れて、かまぼこ、焼きのり、三つ葉を浮かせます。こいつで酒を飲むと、乙なんですよ。他に、、豚汁とかけんちん汁、三平汁や石狩汁とかの具だくさん汁物も酒に合いそうですね。これ、通になっていけば、最後はすまし汁で酒を飲むようになりはせんかと。会津であ、こづゆ汁という奴で酒尾飲む習慣が昔からあるそうです。私も作ってやってみたにですが、たくさんの種類の具をそろえたりが大変で、味のポイントが貝柱のダシなんですが、貝柱が高くて。そういや昔は貝柱、ずっと安かったよな~と思いながら。

densuke さんのコメント...

コメントありがとうございます。
どれも美味しそうですね。
「こづゆ汁」、いいなあ。会津の山の中の温泉宿かなんかでやってみたい。
うちの雑煮は、具はにんじんのみという至って質素なものです。三が日の朝は男が作るという風習がありまして、親父の雑煮はこれなんですね。最近、やっとナルトが入るようになりました。
結局元日は朝から親父と四合瓶を開けてしまいました。

Unknown さんのコメント...

日乗様
やっぱ、噺家さんだったんですね。真打の。
拙も落語大好きで、時にゃあ鈴本やら行ったり。最前席の真ん中に陣取って。
そんな時あ、牛丼食べます。でも、林家一門の名物、かめちゃぼ食いたい。
「焼いた豆腐入れて、酒の肴にするのか、はっきりするんだよこのバカヤロウ」
なんて、言われてみたかった。

densuke さんのコメント...

いえいえ、昔、落研にいた者で、写真は学生時代のものです。
落語の記事も書いていますので、そちらの方も、よろしかったらお読みください。落語についてもお話ししたいですね。
今後とも御贔屓の程、よろしくお願い申し上げます。

ともちゃん さんのコメント...

昨夜のメインは、「大根と手羽元のスープ煮」でした。
大根は風呂吹きのように大きく切って、箸がすっと入る柔らかさ、手羽元は骨から身がホロっと外れるまで煮込みます。離乳食のように、怠慢な咀嚼で食べられる汁物料理。薄味で仕上げて、テーブルで柚子胡椒つけたり塩を振って食べるのが好きです。

ラーメンなんか完全に酒の肴です。夫婦二人して呑み助なので、美味しいラーメン屋に行くとどちらが運転手になるかで空気が悪くなることもしばしば(笑)

枝雀の『替り目』に、茶瓶の蓋をつまんで酒を呑む強烈に可愛い仕草があります。あの動画をつまみにお酒が飲めます。汁物じゃあないけど。

densuke さんのコメント...

旨そうですねえ。燗酒が合いそうです。
身体の中から温まりそうですなあ。