先日、水戸へ行った。
昼食は、「餃子の王将」。焼き飯セット。平松洋子の『ステーキを下町で』に収められている、王将の文章を読んで、久々に食べたくなったのだ。
炒飯の具は、叉焼、葱、卵とシンプル。皿の上に、お玉の形の半球型という王道の盛り付け。餃子6個、唐揚げ2個に中華スープが付く充実のラインナップ。税込で約900円と決して安くはないが、量・質ともに文句はない。
ちなみに学生時代、私は経堂の王将をよく利用しておりました。
満腹を抱えて向かったのは、茨城県近代美術館。ここはテーマを掲げての展示が得意。この前は「笑い」がテーマの展示を観た。そして、今は企画展「幸せはどこにある?」を開催中だ。
「家族」「コミュニティー」「しごと」など、いくつかのキーワードに、美術作品に表れた様々な幸せのかたちを探るという。
私は、前田千帆の版画、『新東京八景』とか、岸田劉生の生家を描いたペン画なんかがよかったなあ。ここは一部、撮影可の絵があるので嬉しくなって、ぱーしぱし撮っちゃった。
1室目はほんわかした雰囲気だったけど、2室目はちょっと違った。テーマは「逆境」。「戦争」とか「死」や「孤独」を題材とした絵が展示されている。
熊谷守一の、若い女の轢死体の絵、中村彝の晩年の髑髏を描いた絵なんてのは鬼気迫るものがあった。中でも浜田知明の版画、『初年兵哀歌』のシリーズが胸にこたえた。浜田は第2次世界大戦で応召され中国戦線に送られた。抽象的な表現だが、戦争で受けた彼の心の傷の深さが偲ばれる。「風景」という作品は、荒野に捨てられた、仰向けの、女性と思われる死体を描いたもの。陰部に棒が突き立てられているように見える。これが「風景」となってしまうことに戦慄を覚える。
最後のテーマは「理想郷」。小野竹喬の『武陵桃源』の屏風が圧巻でしたな。いろんなことを考えさせられる企画でした。
中村彝のアトリエも見学しました。
それから、千波湖のほとりをちょっとだけぶらぶらする。
白鳥や黒鳥や鴨が、のんびりと泳いでいく。
対岸は偕楽園。好文亭が見える。あそこで千波湖を眼下に眺めながら酒飲んだら気持ちいいだろうなあ。
帰り道、イオンシティに寄って、本屋で『ボヴァリー夫人』を買い、ドトールでコーヒーを飲む。
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