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2025年12月31日水曜日

大晦日

朝、御飯、味噌汁、ハムエッグ、おでんの残り。

妻は仕事。第九を聴きながら机周りの掃除。

『雲助おぼえ帳』読了。聞き手は長井好弘。手練れの聴き手と手練れの演者による対談形式で、「滑稽噺から芝居噺まで厳選55席」を語り尽くす。面白くないわけがない。

雲助が人間国宝になった時、私は不遜にも「人間国宝もカジュアルなものになったんだな」と思ってしまった。小さん、小三治と見上げてきた存在から、若手の頃から知っている人にその座が移ったのだ。そう思ったとしても勘弁してもらいたい。しかし、この本を読んで思った。五街道雲助は人間国宝になるべくしてなったのだなあ。圓朝ものをはじめ、幕末・明治・大正の落語を掘り起こして現代につなぐ。「滑稽噺から芝居噺まで」幅広い芸域を持ち、寄席に出演し続け、後進への指導も怠らない。噺の構造、解釈、圓朝・圓喬などの名人への評価、それらを見事に言語化してくれる。どれもが人間国宝としてふさわしい。

雲助は本所に生まれ、幼いころから寄席や芝居に親しんだ。そして、文楽、志ん生、圓生のいる楽屋で働いた。いわば、江戸の風を全身で浴びてきた人なんだ。自分が、如何にものを知らなかったか、再認識させられたよ。

昼はパスタを茹でる。ロッシーニの『泥棒かささぎ』を聴きながら。いつもはこの一曲分で茹で上がるのに、今日は時間がかかったな。息子たちと好みのソースをまぜて食べる。私はペペロンチーノにした。

黒門町の『素人鰻』を聴く。オスカー・ピーターソン・トリオを聴きながら、『騎士団長殺し』を読む。猫がちょいちょいいたずらを仕掛けてくる。

14時頃、妻が仕事から帰る。

15時に皆でお茶にする。この前、上野で買ってきた「バターサンドの木」を食べた。

今年は我が国初の女性総理大臣が誕生し、高い支持率を得ている。多くの人が、我が国が「何となく元気に」「何となく強く」なったような感じがしているらしい。でもそれ、「何となく」だからな。

妻は煮物を始めた。私は夕方ビール。

これから、夕食に年越し蕎麦を食べて、紅白を観ながら忘年会をする。

風もなく、よく晴れた。穏やかな大晦日。

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