私は落研時代、自分で言うのも何だが、ずっと真面目な古典落語を演っていたのだが、一時期、「色物伝助」と呼ばれていたことがある。
あれは2年の初めの頃。先輩の真打昇進披露寄席で、一度ならず二度までも色物で出演したのだ。
最初は二代目松風亭歌ん朝さんの時。この時は、落語家の形態模写で出た。
はっきり言って、当時、春風亭小朝が演ってたやつの真似。自分なりに工夫は入れてるけどね。新入生勧誘の時、遊びでやっていたのを見て、歌ん朝さんが起用してくれたのである。
レパートリーは、七代目橘家圓蔵、五代目柳家小さん、古今亭志ん朝、立川談志、八代目林家正蔵。正蔵の声色で『藁人形』のサゲを、「糠はいけねえ釘屋の娘。」とやって、八海君に「師匠、サゲが違います。」と言わせ、オチとした。
二度目は初代夢三亭海太郎さんの時。この時は、音曲と称し、ギターの弾き語りでアリスの『チャンピオン』を歌った。
海太郎さんはフォークソングが好きで、よく部室でギターを弾いていた方だが、私が1年の時茶話会で歌った『チャンピオン』を気に入ってくださったようだ。(微妙だが、谷村新司と堀内孝雄の歌い分けもやってみた。)
高座では、海太郎さんも一緒にギターを弾き、酒合丈君が「キンちゃん(矢沢透)」役で二人の後ろに立って手拍子を打ってくれた。
こうやって並べてみると、結局二つともモノマネか。
でも、大学4年間で寄席に出た色物は、この二つだけだったな。皆、生真面目に落語ばっか演ってたんだ。
今の落研は、落語より色物の方が元気らしいと聞く。それもちょっと寂しいなあと思う。
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