CSの無料放送でジョン・レノンのトロントライヴをやっていたので、何の気なしに見ていたら、とうとう最後まで見てしまったよ。妻は付き合いきれずに寝てしまったけどね。
私にとって、高校の時からずっとジョンは「かっこいい男」だった。
学生の頃、一生楽さんからいただいたアーミージャケットをずっと着ていたのも、ジョンがニューヨークシティライヴの時着ていたのと似ていたからだし、丸眼鏡やサングラスも、若い頃にはよくかけたものだ。もちろん、考え方やライフスタイルも大きな影響を受けていると思う。(クスリはやってないよ。念のため。)
トロントライヴは1969年。ジョンはまだビートルズのメンバーだったが、ヨーコとともにプラスチック・オノ・バンドを結成、その初ステージにトロントのロックンロールフェスティバルを選んだ。
野外のステージで、古いロックンロールシンガーが次々と古いロックンロールナンバーを歌い、若者がノリノリで踊る、そんなイベントだ。チャック・ベリーが『ジョニー・B・グッド』を歌っている。素敵なインチキおじさんぶりが素晴らしい。
夜になって、ジョン・レノン登場。白のスーツに丸眼鏡、もじゃもじゃに髭を生やしている。ギターの相方は若き日のエリック・クラプトン。(クラプトンがこのバンドに参加したのは、これが最初で最後。懲りたのか?)
リハもろくにせず、ほとんどぶっつけ本番だったらしい。最初は古いロックンロールナンバー、『ブルー・スウエード・シューズ』『マネー』『デイジー・ミス・リジー』。出だし、ぴりぴりとした緊張感が漂うが、次第にのっていく様子がいい。皆、根っからのミュージシャンなんだな。上手い奴と演奏する楽しさがびしびし伝わってくる。『ヤー・ブルース』なんか、ほんといいな。ジョンとクラプトンのギターソロ競演なんか、贅沢だなあ。『コールド・ターキー』を挟んで『ギヴ・ピース・ア・チャンス』となるともうノリノリ。力強い演奏を聴くことができる。ジョンのボーカルも、意外にも繊細で端正。ジョンの曲って、けっこうメロディアスなんだぞ。
そして、後半はヨーコさんの歌。たまんないなあ(別の意味で)。『京子ちゃん心配しないで』は前夫との間に生まれた子、京子への曲。ひたすら「ドンウオリ」と叫ぶ。これはまだバックがちゃんと演奏してたけど、ラストの『ジョン・ジョン(平和の願いを)』はすさまじい。ヨーコさんのうなり声、それにジョンとクラプトンがしこしことアンプをいじってノイズを作り出す。10分も続いたろうか、ジョンがヨーコに近づいて「もういいべ」って感じでステージを下りる。後は無人のステージにブーッというノイズが鳴っているだけ。これをトリネタにして客は「金返せ」って騒がなかったんだろうか。
私は川崎のアパートでこのテープを聴いて、ひどい二日酔いをさらに悪化させたことがあったぞ。
でも、若い頃はヨーコさんの顔見ると「東洋の魔女」という印象しかなかったが、今見る30代のヨーコさんは若く、可愛らしい表情をする。ジョンもそんなヨーコさんが好きでしょうがないみたいで、隙を見ていちゃいちゃしてる。そんなとこがほほえましい。
ヨーコさん、この時はすさまじかったけど、『ダブル。ファンタジー』では、前衛の臭みが抜けてよくなったよ。
『ギヴ・ピース・ア・チャンス』を熱唱するジョンです。
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