これはもともと連作だが、有名なのは「其の五」である。
私もやっぱりこれが好き。引用は岩波文庫から。
結廬在人境 而無車馬喧
問君何能爾 心遠地自偏
採菊東籬下 悠然見南山
山気日夕佳 飛鳥相与還
此中有真意 欲弁已忘言
(人里に廬を構えているが、役人どもの車馬の音に煩わされることはない。
「どうしてそんなことがあり得るのだ」とおたずねか。
なあに、心が世俗から遠く離れているため、ここも自然と僻遠の地になってしまうのだ。
東側の垣根のもとに咲く菊の花を手折りつつ、ゆったりとした気持ちで、ふと頭をもたげると、南方はるかに廬山のゆったりとした姿が目に入る。
山のたたずまいは夕方が特別すばらしく、鳥たちが連れ立って山のねぐらに帰って行く。
この自然の中にこそ、人間のありうべき真の姿があるように思われる。しかし、それを説明しようとしたとたん、言葉などもう忘れてしまった。)
いいんだよなあ。
肝は、俗世にいながら世俗を離れているってことかなあ。
自然とともに生きる日常の生活の中に「真意」がある、そんなふうにとろとろと酒に酔いながら思えるのは、幸せなことだと思うよ。
そうだ、これが私の原点だったのだ。しばらく忘れていたな。
季節季節の美味しいもので酒を飲み、妻や子どもを愛し、自分の好きな仕事をする。これでいいんだ。ひとつひとつを誠実に、人生の苦みも味わいながら、一日一日を大切に過ごしていこう。
そうだ、これでいいのだ。
写真は、昼飲みのハートランド。
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