年末に行った寄席のレポート。
末広亭はほんと久し振り。暫し、この佇まいを鑑賞する。
テケツで入場券を買い、係のお姉さんの案内で客席へ。おっ、椅子が新しくなってる。缶ホルダーまで付いているではないの。
高座では春風亭勢朝が『大師の杵』を演っていた。
お次は、いなせ家半七。小噺二つ。長男は二つ目の、お尻にバナナとかりんごとか入れるやつに大喜びしておりました。
江戸家猫八の物真似。鶯を久し振りに聞いたけど、いいねえ。ニワトリやさかりのついた猫なんかもバカバカしくていい。
橘家圓太郎は『浮世床』の本の所。ここで昼飯に飲んだビールが効いてくる。心地よい繰り返しのリズムに気が遠くなる。
桂ひな太郎、『幇間腹』。本人曰く「落語界の玉三郎、または病み上がりの舟木一夫」。元は古今亭志ん朝門下で古今亭志ん上を名乗っていた。現在は桂文楽門下。端正な高座。
客席は満席だが、ちょっとおとなしめ。なかなかはじけない。
ここでストレート松浦のジャグリング。子ども連れにはこういう色物の存在はありがたいね。長男も食い入るように見ておりました。
林家鉄平、『権助魚』。25年以上前、鉄平さんとちょっとした仕事をした。それ以来。郷ひろみと同い年なんだ。きっちり演ってた。長男はツボに嵌ったらしく、今も真似をしております。
入船亭扇遊はここで『子ほめ』。上手いねえ。こういう人がいると高座がしまる。
柳家紫文の俗曲。鬼平やって15年とのこと。何度聞いても面白い。
ベテラン金原亭伯楽は『宮戸川』。今は亡き古今亭圓菊のもよかったなあ。こういう噺はベテランがいいねえ。
ここで中入り。
クイツキは鈴々舎馬るこ、『転失気』。クイツキらしからぬ語り出しだが、ネタに入るとエンジン全開。和尚と珍念のキャラが最高。最後に珍念がぐれちゃうのが納得。もはや一人コントといった趣だね。長男は大喜び。ここへきて客席がはじける。
ホームランの漫才。ネタは東京オリンピック。東京漫才のトップ集団に入って来たね。私は大好き。ふとプログラムを見たら、夜の部にあした順子がピンで出ている。ひろし先生がいないのは寂しいなあ。
五明楼玉の輔は『マキシム・ド・のんべえ』。三遊亭白鳥作の新作だよね。今は割と人の新作を演る人が多い。(柳家はん治も桂文枝ネタをよく演る。)こうして新作がスタンダードになっていくのもいいと思う。これも長男が大喜び。今もよく真似している。
林家錦平『紀州』。先代三平門下では珍しい古典派。手堅い高座。
膝替わりは大神楽、鏡味仙三郎社中。
そしてトリは春風亭正朝の『淀五郎』。人情噺にせず、笑いを適度に交えた明るく軽やかな仕上がり。いい噺だねえ。こういう噺でしめてくれると、たっぷり落語聴いたなあという気持ちになる。
この日は昼夜入れ替えなしだったが、とても夜のトリまではいられない。子ども連れでもあるし、ここで切り上げる。
学生の頃は、昼夜ぶっつづけなんてざらだった。今思うと贅沢な時間を過ごしていたんだね。
暮れかかった新宿の街を息子と帰る。いい一日だったよ。
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