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2014年6月10日火曜日

小川町稚蚕共同飼育所

壁に、「小川町稚蚕共同飼育所」と書いてあるのが見える。この建物は、県道からほんの少し脇道に入った所にある。
先日、旧富岡製糸工場が世界文化遺産に選ばれた。休日には、多くの観光客で賑わっているという。
絹製品は、近代日本における重要な輸出品であり。そして、その土台を支えたのが、養蚕農家であった。
私が子どもの頃には、至る所に桑畑があったし、裏の家は養蚕を営んでいた。
蚕は「オゴサマ」と呼ばれ、屋内で大切に飼育された。(何百匹もの虫が、暗い建物の中で、かさこそと桑の葉を這いまわりながら葉を食む、といった光景を想像するのは、あまり気持ちのいいものじゃないけれど。)
土浦の昔を書いた本にあった話では、大徳裏に遊郭が軒を連ねる一角があり、繭を売ったばかりの現金を握りしめた男たちでたいそう賑わったという。
富岡のような、歴史のある重厚なものではないけれど、そんな時代を偲ばせる遺構が、今もひっそりと残っているのは、やはり感慨深いものがある。


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