この時期恒例、昔の職場の仲間と宴会をやる。
今年の舞台は那珂湊。
昼過ぎには現地に入り、宿に車を置いて街をぶらつく。
昼食をチェリー食堂でとる。
炒め焼きそば(750円)でビール(600円)。旨し。
いい気持ちになって歩き出す。
まずは、きうち書店に入って本を物色する。ここは近代文学の文庫本が充実しているのである。橋本治『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』、団鬼六『往きて還らず』(特攻隊の話ですよ)の2冊を買う。
那珂川を望む高台にある、湊公園へと上がる。
ここは日和山と呼ばれ、江戸の昔には水戸藩2代藩主徳川光圀が建てた夤賓閣(いひんかく)があった所だ。幕末の天狗党挙兵に伴う水戸藩の政変(元治甲子の乱)の際には、藩主名代として水戸へ向かった宍戸藩主松平頼徳一行とそれに合流した武田耕雲斎ら水戸藩の尊攘派に天狗党が加わり、頼徳の水戸入城を阻止しようとする門閥派との間で激しい戦闘がくりひろげられた。夤賓閣はこの戦いで焼失する。
見事な枝ぶりの松は光圀が植えたもの。
その激戦にも耐え、今に残る。
那珂川の対岸から尊攘派は進軍し、門閥派を破ってここに陣を敷いた。
さらに歩いて反射炉へ向かう。水戸藩9代藩主徳川斉昭が海防のための大砲を鋳造せんと建造したものだ。元治甲子の乱では、藤田小四郎率いる天狗党がここから攻め上り、門閥派を撃破した。反射炉もその時破壊され、今あるのは昭和12年に再建されたものである。
私の先祖は天狗党だったという。反射炉の高台から那珂川を眺め、しばしご先祖様に思いをはせる。
またぶらぶらと那珂湊駅へと向かう。
ひたちなか海浜鉄道をちょっとだけ撮りテツ。現存する数少ないローカル私鉄。レトロな雰囲気が注目され、ロケ地としても有名だ。この日もどこかの撮影クルーが来ていた。
街並みを愛でながら魚市場の方へ足を向ける。
かれこれ2時間近く歩いているので、どこかで休みたい。ちょっとしたものをつまみながら飲むのもいいなと思う。
ふと蟹の甲羅焼きを売っている屋台を見つける。すると、おあつらえむきに熱燗も売っているのではないの。早速購入し、ベンチで一杯。たまんないねえ。
4時ちょっと前に宿に入る。
ひとっ風呂浴びて、何はともあれ湯上りのビール。これもたまんない。
そんなこんなしているうちにメンバーが揃う。今年もKさん、Oさん、Sさん、私の4人。
定刻の6時に宴会がスタート。鮟鱇鍋、鮟鱇のとも酢、生ガキなどの海の幸に舌鼓を打ちながら、わいわいがやがや。お互い頭はずいぶん白くなったけど、皆さん元気で何よりです。毎年ここで元気をもらう。楽しい一夜となりました。