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2013年12月4日水曜日

落研の真打

うちの落研では、真打制度があった。
真打が誕生するのは、合宿(春、夏、冬の年3回)、対外発表会(年2回)、学祭(年2回)といった大きなイベントに加え、臨時的に行われる「二ツ目勉強会」においてだった。
まず真打会議で新真打が選考され、幹部会議に報告される。そして、前述のイベントの最後に、部員に発表されるのである。
真打昇進は3年生から対象となる。
私の2年先輩の場合。トップ真打は、3年の夏合宿後の二ツ目勉強会で三代目松竹亭梅之助さん、七代目松風亭風来坊さんの同時昇進。冬合宿で三代目夢三亭圓漫さん。4年の春合宿で二代目松風亭歌ん朝さん、初代夢三亭海太郎さんの同時昇進だった。
1年先輩。トップは、3年の夏合宿後の二ツ目勉強会で三代目松風亭紫雀さん。4年の夏合宿で初代夢三亭希蝶さん。この代は男女1名ずつだった。
で、我々の代はこうだった。
まずは、トップが私。3年の夏合宿。その後の二ツ目勉強会で、弥っ太君が昇進、四代目夢三亭艶雀を襲名。八海君が3番目、学祭だったか発表会だったかどっちが先だっけ、五代目松竹亭梅王(バイキング)で昇進。4番目の世之助君が、学祭か発表会で、五代目夢三亭一生楽。冬合宿で、悟空君が三代目松風亭歌ん朝、初代小酒家酔梅(よばい)で同時昇進。4年の春合宿では、楓さんが初代松風亭わか菜、夕姫さんが三代目松竹亭かぐや姫で同時昇進した。
実は私たちの代は画期的な代だったのだ。つまり、男子は全てが3年のうちに、女子も4年の春合宿には真打に昇進したのだ。
これは八海君の主導による。落語協会において五代目柳家小さんが大量真打をやってのけたのに匹敵するのかもしれない。八海君の主張は、「4年は皆真打にしよう。今までのままじゃ、女子は真打になったらすぐ引退だ。」というものだったな。
幸いなことに、うちの落研には三遊亭圓生のような人がいなかったので、まったく騒動めいたものはなかった。まあ真打観でいえば、私が圓生タイプだったかもしれないが、八海君のリーダーシップに心酔していたので、運営はすべてお任せだった。
昨年のOB会の時、後輩が八海に「どうして八海さんの代はもめごとがなかったんですか?」と聞いていた。八海はそれに答えて「うちは役割がはっきりしてたからな。伝助は風柳だったし。」と言っていた。そう、私は落語だけやっていれば満足だったのだ。そして、八海君はまさに天性のリーダーだったよ。

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