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2017年5月19日金曜日

川崎のアパートの近く 今昔


大学時代住んでいた、川崎のアパートの路地を出た所。
和菓子屋と豆腐屋が並んで建っていた。
和菓子屋は「ちぐさ」といって、ガラスの容器に煎餅が入れてあり、ショーケースには大福とか青柳とか、すあまやきんつばが並んでいるような店。豆腐屋は店名は書いてなく、自家製で細々とやっているような店だった。
どちらの店にも入ったことはなかった。
あの頃は和菓子をわざわざ買って食べることもなかったし、豆腐を酒のつまみにすることはめったになかった。あの頃私はアパートでは、夜ごとサントリーレッドを飲んでいたのだから。

大学を出てからも、たまにアパートの近くを歩くことはあった。
当然、月日が経てば、様子も変わる。
まず和菓子屋がなくなった。


豆腐屋はずいぶん頑張っていた。
私は、30近くになって湯豆腐で酒を飲む旨さを知った。
アパートにいた頃、寒い冬の日に路地を歩いて豆腐屋に行って豆腐を買い、四畳半で湯豆腐をつつきながら燗酒を飲んだら、さぞしみじみと旨かったろうなあ、と悔やんだものだ。

その豆腐屋も数年前に店を閉めたらしい。
昨年の夏歩いた時は、まだ建物は残ってはいたが、いずれ取り壊されるだろう。


路地の奥にあったアパートも今はない。

大学を出てすぐの頃。
右奥が、私のいたアパート。

まずは手前のアパートが取り壊された。

そして右手前の小ぎれいなアパートができた。

それでも、これからも私は機会を見つけてあの界隈を歩くだろう。
私にとって、そこは何ものにも代えられない、大切な場所なのだ。

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