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2025年1月6日月曜日

湖国探訪⑧ 醒井宿、旅の終わり

車は佐和山トンネルを抜け、鳥居本を過ぎた。やがて米原駅も通り過ぎる。どこまで行くのか。ちょっと不安になる。

目的地は醒井(さめがい)宿であった。

醒井宿。中山道六十九宿のうちの61番目の宿場町。2015年、「日本遺産」に認定されたという。

シブい家並みが続く。






地名の由来となったのは「居寤(いさめ)の清水」。宿に沿って流れる地蔵川の水源である。そこにヤマトタケルの像が立つ。枯死した「不断桜」という名木の跡に建立されたという。不断桜は10月下旬から12月に花が咲き、野口雨情作詞の『醒井小唄』に「不断桜は聞くさへいとし 冬の最中も花が咲く」と歌われた。


ヤマトタケル東征の折、伊吹山の荒神が激しい雹雨を降らせタケルを前後不覚に陥らせたが、たどり着いた清水によって覚醒したところから、「居寤(いさめ)の清水」と名付けられた。

私の住む所も、ヤマトタケルが掘らせた井戸に清らかな水が溜まったことから、その地名が付いた。何となく縁を感じたよ。

清流の水底には、梅花藻という水草が靡く。



百日紅が咲くころに小さな花を咲かせるという。


清流は今も人々の生活に密接に繋がっている。

宿場の中ほどには、米原市醒井資料館がある。旧醒井郵便局。これもヴォーリズ建築のひとつである。




古い郵便局の建物は美しい。


15時少し前、米原駅に着く。

「近江の国を堪能させてもらったよ」と私が言うと、

「いや、まだ湖東の二都市をなめただけに過ぎない。大津にも長浜にも行っていないぞ」と高山T君は言った。

確かにそうだ。まだまだ行きたいところがたくさんある。お互い、体を大事にして色んな所に行こう。

20時過ぎに家に着く。妻が温めてくれた蓮根の挟み焼、ファミマで買って来た牛すじ豆腐でビール、燗酒。旅の終わりの一杯もしみじみと旨い。

5 件のコメント:

moonpapa さんのコメント...

紀行文、じっくりと楽しませていただきました。近江八幡はいずれ行きたいと思っていたのですが、その他にもそそられる街並みを教えていただき、近いうちに行きたい旅の楽しみとさせていただきます。八幡堀・ヴォーリズ建築・彦根の町並み・醒井宿の水草の咲く清流など…どれも素敵な写真で…。あっ、はやの食堂に日本晴食堂(小生もオムライスよりチキンライス派です)も心にとどめておきます。(笑)

densuke さんのコメント...

moonpapaさん、こんにちは。楽しい旅でしたよ。
滋賀県を旅するのは初めてでしたが、いい所でした。大津の方にも行きたいし、長浜の方にも行きたいなあ。いつか再訪したいと思います。
暖かくなったら、そちらにも伺いたいですね。

匿名 さんのコメント...

先日はお誘いをふってしまい・・・。暖かくなりましたら是非お会いしたいですね。連雀亭なんかもいいかなぁなんて思ったりもしたりしなかったり・・・

moonpapa さんのコメント...

あっ、すみません、上記の匿名はあっしです。

densuke さんのコメント...

いいですね、連雀亭。ぜひぜひ。