学年で最も早く真打に昇進した者を、我々はトップ真打と呼んだ。
トップ真打は、3年の夏合宿で誕生するのが通例だったが、諸般の事情もあり、私が入部して以来、2年続けて夏合宿でのトップ真打誕生はなかった。
その3年の夏合宿で、私は3本の噺を用意した。真打昇進を意識したのである。
『締め込み』は秋の対外発表会のネタ。
『権助提灯』、『浮世床』は三代目紫雀さんが「お前に合うネタだから。」と言って勧めてくださった。
合宿の発表会では、まず『権助提灯』をかけた。1年の時『藪医者』やっててよかった。
覚えたのは、立川談志のテープ。談志そのままだったろうな。そこそこウケた。多分、まんま談志の所が可笑しかったんだろう。
この合宿の後、すぐ文学部のゼミ合宿があったんだけど、そこで披露したのがこの噺だった。
この時は、4年生のKさんが前座で松茸の小噺を演ってくださった。Kさんは高校時代落研に入っていて、私が入る前の、ゼミでの落語担当だったという。
その後で『権助提灯』を演ったけど、バカウケだった。私の傾向としては、落研部員よりも一般客の方がウケるのだ。この時は、喋ってて楽しかったな。いい客だった。
落語の後は、ジャズ研のDさん(美人である)が、『センチメンタル・ジャーニー』を歌った。これがよかった。
これ以降、ゼミのコンパの余興は、私の落語とDさんのジャズが定番となる。落語とジャズ。いかにもアカデミックですなあ。
とりあえず、今日はここまで。『浮世床』『締め込み』については次回書きます。
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