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2025年8月26日火曜日

越の国漫遊記③ 三条にも行ってみた

「やはり、ここは三条にも行かねばなるまい」

高山T君のお目当ては商家の建物のようだったが、カーナビでは特定できなかった。行けば何とかなるだろう、と三条市に入る。

よくある地方都市のロードサイドの風景が広がる。新しくて小ぎれいだが、引っかかりがない。燕市が人口7万7千人であるのに対し、三条市は9万5千人 。三条市の方が、幾分、開けた感じがする。

商家のあるという町内に車を止め、歩き始める。相当に暑い。時折、シブい建物にカメラを向けながら歩く。


結局、建物は見つからなかった。一ノ木戸商店街に出た。




中央奥がハーメルン館という、この街のランドマーク。

五十嵐川の土手に出る。川の風景はいい。

知らなかったが、この辺りは『DIY』というアニメの舞台になっているらしい。聖地巡礼のための地図もネットで見つけたが、この時には知る由もない。

三条市といえば、ジャイアント馬場の出身地である。馬場は三条実業高校を中退して読売巨人軍に入団した。選手としては目が出なかったものの、引退後、力道山にスカウトされてプロレスラーになった。204センチの巨体を生かして、16文キック、ヤシの実割り、ジャイアントチョップなどを駆使し、トップレスラーとなった。ライバルのアントニオ猪木がストロングスタイルを極めたのに対し、馬場はエンターテインメントとしてのプロレスで観客を楽しませた。

私が子供のころ『ジャイアント・タイフーン』という、ジャイアント馬場が主人公の漫画があった。全国高校野球選手権新潟県大会で、馬場が自身の暴投でサヨナラ負けを喫した場面や巨人軍の宿舎の風呂で転びガラスで利き腕を負傷した場面などをよく覚えている。

方や燕市出身のプロレスラーもいた。旧吉田町出身、「蒙古の怪人」キラー・カーン。奇声を発しながらのモンゴリアン・チョップは鮮烈だった。新日本プロレスのレスラーだったが、後に全日本プロレスに移籍した。ジャイアント馬場と同じリングにも上がったんだな。ジャイアント馬場とキラー・カーンではレスラーとしての格は全然違うけど。

二人とも、もうこの世にはいない。ずいぶん時が流れたんだな。

猛暑に耐え、ぶらぶら車に戻る。



宿に行く前の仕上げ、高山T君が調べてきたシブい喫茶店へ向けて出発。いやあ、車は快適だなあ。

それが燕市殻町、喫茶ロンドン。「あなたのロンドン、わたしのロンドン、ロンドン、ロンドン、ロンドン」という歌が、脳内で再生される。

ねっ、シブいでしょ。店内もシブい。

ここはクリームソーダにした。本当に何十年ぶりだよ。火照った身体をクールダウン。

ゆっくり休んで、店を出る。この辺りの町並みも、またシブい。燕市はシブい。





さーて、いよいよ「1泊3300円の宿」に向けて出発!

2025年8月25日月曜日

越の国漫遊記② 燕は川の町

高山T君と私は、ともに古い建造物が好きだが、彼は近代建築を特に好む。今回もそれらを中心にリストアップしていた。

まずは燕市中央通りにある、日本基督教団燕協会だった。

瀟洒な洋館。そして、また、この付近にシブい街並みが続くのだ。

おお、これは雁木ではないか。豪雪地帯で建物の庇を長く張り出すことによって、その下に通路を確保するというものだ。道路も融雪装置が完備されている。そのためか、路面は一様に鉄錆色をしていた。



トタンの錆もいい味がでるんだよねえ。


燕市といえば金属加工で有名だが、調べてみると、もともと信濃川の支流、中ノ口川の舟運で栄えた町らしい。特に古い街並みを観光資源として意識しているようには見えないけれど、大事にしてもらいたいなあ。

車で中ノ口川沿いを少し走って、同市水道町の燕市総合文化会館へ。この敷地内には、元浄水場排水塔があるのである。高さ35メートル、5階建て。

昭和13年(1938年)に着工。竣工は昭和16年だった。日中戦争が始まっており、物資の確保には苦労したという。昭和39年(1964年)に浄水場は移転し、跡地に総合文化会館が建てられた。塔は地域のシンボルとして親しまれ、平成25年(2013年)登録有形文化財に指定された。


水道施設も高山T君の大好物。「バベルの塔」ではないが、塔には人の心を惹きつける魔力がある。

裏手に回ると、ここにもシブい建物発見。



今度は車で燕市吉田ふれあいセンターへ。ここでの高山T君のお目当ては、登録有形文化財、今井家住宅。地域を代表する旧家で、家庭薬会社や銀行を経営した。

明治中期の建築である。

旧今井銀行。1920年の建築。

「香林堂」は、家庭薬会社の名前。

旧銀行の入り口上部。

そして、ここの町並みがシブいのだ。



雁木もある。





吉田町は平成の大合併で燕市となった。もともとは西川の舟運で栄えた町。今もJR越後線とJR弥彦線が交わる交通の要衝である。西川はふれあいセンターの裏手を流れている。水量たっぷりのいい川だ。

市名「燕」は、古くは「津波目」と書いたらしい。「津」には港、「目」には中心地という意味がある。まさに燕は水運の町だったのだなあ。



車の中で、昔の時代劇「水戸黄門」の話になる。

「そう言えば、黄門様は『越後のちりめん問屋の隠居、光右衛門』と名乗っていたなあ」
「ひととおり大暴れしないと印籠を出さなかった」
「徳川光圀は若い頃は無頼派で、辻斬りをやっていたという説もあるし、家老を自分の手で切り殺しもしたよ。ただの好好爺ではないぞ」
「格さん役だった里見浩太朗が黄門役をやったよね」
「あれも内部昇格というのかね」

まあくだらない話をしていたよ。

高山T君に「この記事のタイトルを考えてくれ」と言ったところ、「越の国 光右衛門漫遊記」という案が来た。少し長いので、このようにしました。しばらくの間、お付き合いの程を。

2025年8月24日日曜日

越の国漫遊記① 旅の始まり、燕三条

高山T君と旅をしてきた。彼から「1泊3300円で泊まれる宿が新潟にある。行ってみないか?」という連絡があったのである。

高山T君は4月から重いポストをやらされる羽目になった。再任用最終年においてである。これは余りに酷だよなあと、私は常々思っていた。この旅は彼の励みになるだろう。いや、正直に言おう。私はその企画にそそられたのだ。

よーし、行こうではないの。私はT君の誘いに乗った。

朝、7時の電車に乗り上野へ。上野から上越新幹線で燕三条。乗り継ぎがうまく行き過ぎて、10時過ぎに燕三条駅に降り立った。

この駅名のせいか、私は燕三条市という市があるという先入観を持っていた。ところが、燕と三条は別の市なのである。両市の皆さん、申し訳ございません。

調べてみたら、駅自体は両市にまたがっており、所在地は駅長室のある三条市だという。普通出口は、北口とか南口とか方角で言うが、この駅は、燕口、三条口である。

ちなみに高速道路のインターチェンジは、三条燕インターチェンジといって、駅名とは順番を入れ替えている。この辺には何かただならぬ力が働いているのだろうか。

まあいい。約束の時間まで、小1時間ある。コーヒーでも、いや、あわよくばビールでも飲もうかと辺りを見るが、駅中にめぼしい店は見つからない。では、駅付近をぶらつこうと思って歩き出した。

早くも暑い。ロードサイドでよく見かけるチェーン店しかない。30分ほど歩いて、駅に戻ると、高山T君から「間もなく着く」と連絡が来る。

10時50分、合流。11時に開店する「燕背脂ラーメン」の名店があるというので、そちらに向かう。

大むら食堂。到着すると、早くも行列ができている。

お向かいに、シブい建物発見。

T君によると馬を繋いでいた家らしい。向かって右側にあるタンクは、馬の飲み水を溜めていたのではないか、とのこと。

30分後、二階に通される。もう行列に慣れているんだな。無駄のない客さばき。注文もタブレットだ。最も基本的な中華そばをオーダー。やがて出てきたのがこれ。

いいねえ。見た目ほどしつこくないな。旨かったよ。


この日、高山T君は完璧なプランを用意してきた。私はこれからそれを各所で知らされることになる。

ともかく、さあ、旅が始まった。

2025年8月21日木曜日

蕎麦、二品

まずは吾妻庵木田余店。もり蕎麦、900円。

久し振り。やっぱここ旨いわ。土浦の総本店とはちがって、丼物もある。その分、ちょっと庶民的。結婚したばかりの頃、よく妻と行った。妻は夏は冷やしたぬき蕎麦、冬はあんかけ蕎麦を好んだ。

では、吾妻庵木田余店のもり蕎麦。



蕎麦湯でしめる。器もいいんだよね。


 

お次は笠間市岩間のてっぺん。こちらの方が、より庶民的。

この日、私はかつ丼セットをいただく。

かつ丼セット、1200円。これに汁物が付く。

こういうフツーに旨いのがいいのよ。


両方とも美しいねえ。想像通りの味。詳細な食レポをしなくても通じると思う。

2025年8月17日日曜日

盆休み終わり、ちょっとだけ石岡散歩

朝、御飯、味噌汁、ウィンナーソーセージ、春雨サラダ、納豆。

今日で盆休みも終わり。といって、特に予定はない。

NHK『自然百景』を観ながら、コーヒーを淹れて飲む。

昼は妻が作ったスパゲティミートソース。ミートソースはうちのトマトで作った自家製。旨し。


晴れて暑くなる。だらだらと高校野球を見る。

この休み中、ほぼ家にいた。このままどこへも行かないのも何なので、夕方、石岡を散歩する。暑くはあったが、夏の終わりの雰囲気。



 








珍来は廃業していた。

1時間ほど歩いた。やっぱり石岡の町並みはいいねえ。

夕食は、妻の楽天ポイントでケンタッキー・フライド・チキンを買ってくる。ひとり2ピーズ、ビスケット。コールスローサラダは自家製。ビールに合うねえ。旨かった。白ワインもまた旨し。

食後にカティサーク。

よーし、明日から仕事だあ。