晴。寒風。
昼は家族で近所の中華屋。五目そば。田舎の素朴な中華そば。旨し。
夜はわかめそば。頂き物の目刺し。菊正宗熱燗。体の中から暖める。
文楽との出会いは中学2年の時。
ラジオで「締め込み」を聴いた。
空き巣がこさえた風呂敷包みが元での夫婦喧嘩。
そのおかみさんの啖呵にしびれた。
ぐっとためての「はばかりさまっ!」
お互い惚れ合っているからこその大喧嘩。
喧嘩の場面の迫力に圧倒されながらも、おかみさんのいじらしさ可愛らしさにひっくり返って笑った。
まさに心を奪われた瞬間でした。
以来、私は八代目桂文楽の名前を追いかけるようになります。
「締め込み」自体は、文楽のネタの中で最高の評価を得ているわけではありません。
でも、私にとっては文楽との出会いとなった特別なネタになりました。
そういう宝物を持っているというのも、幸せなものなんだなと思います。
余談ですが、後年私は落研に入り、憧れの「締め込み」を演ることになります。
ところが、あの夫婦喧嘩の場面、一所懸命やればやるほど笑いがこない。
発表会で一度演っただけ、結局モノにできませんでした。難しい噺だと思います。
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