うちの落研では、初めての芸名を「茶話会」という新入生歓迎会でもらう。そこで芸名入りの会員証をもらって、自分の芸名を発表するのである。
芸名は一門の真打ちがつける。よくあるのは、セットでつけられる名前だ。
私の代の松竹亭一門は、悟空、八海、酒合丈(さごじょう)の西遊記トリオ。
私は楽家伝助という名前をもらったが、同じ松風亭一門は、他に赤兵衛、世之助。3つともビッグコミック系の漫画のキャラクターの名前だ。
我々の名前をつけてくれた3コ上の先輩(桂小文治さんの代です)が1年生の時の名前では、麻雀シリーズがあった。三色、ドラ八、ざんQ。時の真打ち(三代目金瓶梅さんの代だ)が、麻雀に興じながら考えたらしい。
私は4年の時、一門の新入生に、ちゃんちきちん、すけてんてん、てんどこどん、という名前をつけようとしたが、同輩の反対に遭い、やむなく、乱頭(らんとう)、牛車(うっしゃー)とつけた。プロレス漫画『1,2の三四郎』の三四郎の雄叫び「ウッシャー」と場外乱闘からとったのだ。
(ちなみにプロでもこの手のやつはあって、三遊亭歌之介の3人の弟子の名前は、ありがとう、ございます、しあわせ、という。)
判じ物みたいなのもあった。1コ下の松時(ショータイム)、小柳さんの前座名、亜留番(アバンチュール)。同輩で春”短(バルタン)というのもいた。でも、これが主流というわけではなかったよ。(現在の落研はこっちがほとんどみたい。)
印象的だったのは、当時のうちの落研は、入部時に短髪にしなきゃいけなかったのだが、後輩に見事に丸刈りにした奴がいて、これは、五里ん(ごりん)とつけられた。
夢三亭は下ネタが多い。2コ上の海太郎(かいたろう)さん、同輩の弥っ太(やった)、後輩では一発なんてのがいたなあ。(それぞれ「ゆめみてかいたろう」、「ゆめみてやった」「ゆめみていっぱつ」です。)
部員同士、芸名で呼ばれる人もいれば、本名で呼ばれる人もいる。先輩では、佐助さん、海太郎さんは芸名で呼ばれていた。(海太郎さんはそのままの名前で真打ちになった。)うちの代は、弥っ太、世之助。私も伝助と呼ばれていた。西遊記トリオは風貌的にはぴったりだったが、案外本名で呼ばれてたなあ。いや、八海だけは芸名で呼ばれてたか。
二つ目になると改名することができる。麻雀シリーズの代の先輩方は、ドラ八→梅吉、ざんQ→梅楽、亜留番→雀志となられた。1コ下の牛丼君は蘭丸に変えたっけ。
読みを変える人もいる。1コ上の先輩、風神さんは「ふうしん」から「ふうじん」に、私がつけた乱頭君は「らんず」にした。
私たちの代は、悟空、八海、酒合丈も世之助、弥っ太、伝助も、女子部員の夕姫、楓も、二つ目での改名はしなかった。(結局、残ったのは、この8人でした。)ということは、皆、自分の名前にそれぞれ愛着があったということだ。いい名前を頂いたんだな、と思います。ありがとうございました。
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