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2014年10月5日日曜日

三遊亭圓楽・春風亭小朝二人会

昨日、地元の文化センターの「圓楽・小朝二人会」に、長男を連れて観に行った。
本来は料金4000円のところ、中学生はご招待、保護者は割引になるという。息子に聞くと、行きたいというので、すぐさま申し込ませた。
前座は三遊亭圓丈門下、ふう丈。ネタは『転失気』。声がはっきり出てて、明るい。こういう前座さんはいいね。
緞帳が下り、「さわぎ」の出囃子が鳴り始める。春風亭小朝の登場だ。高座には膝隠し。格子柄の着物に袴を着けて、金髪ソフトモヒカンの小朝が高座に座る。
マクラはジョーク集といった趣き。ソ連ジョークを安部首相にアレンジしたものを含め、爆笑を誘う。上手いもんだねえ。洒落てるし、時事問題も流行の愛国に走らず、いかにも頭が良さそうだ。
ただねえ、ちょいちょい下ネタを放り込んでくるんだね。「断捨離」ネタで、亭主を例にとり、「5年間ベッドで使用していないものはゴミなんです。」と言った後で、「ある時酔っ払って帰って来て、求めてきたりしても、その気にはなれませんよね。こういうのを“燃えないゴミ”と言うんです。」と落としたりするんだけど、こういうの、ご招待の中学生相手に演っていいのかね。
ネタは新作。カラオケ葬の話。膝隠しの下にハンドマイク仕込んだりして、歌う歌う。客にもよくウケてたねえ。小朝はこういうエンターテイメントな落語を演りたいんだろうね。あの36人抜き真打昇進をリアルタイムで知っている私は、小朝には名人になって欲しかったのだが。
名人ばかりが落語家の目指すところではないと、私は常々主張しているが、名人になるべき素質を持っている人は、名人になって欲しいと思う。何かその点で小朝は、自らが落語界のてっぺんに座るのではなく、仕掛け人の方に逃げているようで、私としてはちょっと歯がゆい。
そして、トリは三遊亭圓楽。開口一番「小朝さんとは修業仲間ですが、今日はやりたい放題でしたね。」と言う。思わず笑っちゃった。まさにそんな感じだったねえ。
圓楽の方は「笑点」ネタで笑いを取る。特に桂歌丸の話が面白かった。私も、歌丸には笑点50周年も健在でいて欲しいと思うよ。
で、ネタは『短命』。上手いよ。達者だと思うよ。でもなあ、ご招待の中学生を前に演るネタかなあ。連れてきた親としては「お前、あの噺分かったか?」と息子に訊きづらいよねえ。
圓楽は地元の文化ホールで過去2回聴く機会があったけど、その時のネタが『町内の若い衆』、『禁酒番屋』と、いずれも下ネタがかっているんだよね。
確かに田舎で、落語の粋なんぞ分かる客は少ないし、「行く先々の水に合わねば」ということなんだろうけど、確実にウケると判断したのがそれなんだな。
口調は男らしいし、職人なんか素晴らしい。センスもいいし、上手い人だと私は思う。それだけに、落語の凄味を感じさせるネタを聴きたかった。
ま、よくウケてたし、面白かったよ。客も満足だったんじゃない。
お二人とも達者な芸だった。そういうことです。


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