入った時には前座の柳家小ごとが『垂乳根』をやっていた。声が大きく口調もはっきりしている。この頃の前座さんは達者だな。
二つ目は柳家やなぎ、『つる』。隠居さんと八つぁんの仲良さげな感じが出てていい。
ここで太神楽の翁家勝丸。座っての高座。客から毬を投げてもらって傘で受けるのなんかはお見事でした。
お次は真打、三遊亭歌司。若い頃から上手かった。先代圓歌が会長だった頃は、落語協会副会長の任にあった。今日は先代圓歌と先代三平の思い出話。ネタも聴きたかったが、こういう昔話も面白い。1946年生まれの73歳か。まだまだ活躍してもらいたい。
柳亭燕路は『皿屋敷』。明るくって軽妙でいい調子。寄席の高座がよく似合う噺家さんだ。
漫才、笑組。息が合って気持ちのいい漫才。
あやしい雰囲気を身にまとって、春風亭百栄が登場。ネタは『寿司屋水滸伝』。柳家喬太郎作の新作落語。喬太郎ワールド満載のネタだが、百栄も見事に自分のものにしているなあ。当たり前のことかもしれないが、職人口調もなかなかいいのよ。
春風亭一之輔、『鮑のし』。おなじみのネタでも際立つ個性はさすが。スターの風格が出てきた。若い人たちにとっての「俺たちの名人」候補の一人だろうな。今日も軽くやっていながら爆笑を誘っていた。
のだゆき。鍵盤ハーモニカとリコーダーを使っての音楽漫談。「不思議ちゃん」的なキャラもおなじみになったな。うちの長男を寄席に連れて行った時、この人の芸を見て喜んでいたっけ。
仲トリは春風亭一朝。『つぼ算』。楷書の芸、円熟の味。それでいておさまって偉くならないのがいい。いつまでも「イッチョウケンメイ」の人でいるんだろうな。
ここで仲入り。
クイツキはロケット団。もはや東京の漫才を背負って立つ存在だ。爆笑につぐ爆笑。この人たちにハズレはない。
ベテラン柳家小ゑん登場。新作の『江戸会話教室』。小ゑんのツイッターによると、新作落語台本募集で決勝に残った作品とのこと。面白かったよ。
膝前は隅田川馬石、『子ほめ』。この噺のマクラにコミュニケーションの話題を振るのが、いかにもこの人らしい。出囃子の「岸の柳」、いい曲だな。かつては「意地悪ばあさん」の志ん馬の出囃子。あまり先人の色がついてないので、馬石の出囃子として認知されそうだ。
膝代わりは紙切りの林家二楽。鋏試しは「桃太郎」、お客のリクエストに応えて「なつぞら」、「風車」。「なつぞら」はテレビの画面にNHK、あはは。
トリは、喬太郎の代バネを、彼の師匠、柳家さん喬が務める。『抜け雀』をたっぷり。気弱な旅籠の亭主がいいね。怒鳴られると言うことを聞いちゃうというのが秀逸。上っ面の言葉ではなく人間で笑わせてくれる。さん喬の落語はいつも「いいもん聴いたな」という気持ちにさせてくれる。満足満足、であります。
喬太郎も聴きたかったけど、この次の機会を待ちましょう。多分、土日は大入りだったろうな。
清水堂。落語『景清』の舞台です。 |
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