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2012年7月19日木曜日

BS古今亭志ん朝特集

昨日BSで古今亭志ん朝の特集をやっていた。
よかったねえ。
演目は『火焔太鼓』。編集された映像だったけど、やっぱ志ん朝は凄いなあ。
ふくよかで柔らかくって、色気があって品があって、メロディがよくてリズムがよくて、声がよくて音域があって、しかも人物描写がいい。
五代目柳家小さんが「ああいうのを上手いっていうんだろうな。」と言っていたというが、まさにその通りだな。初代柳家三語楼、五代目三遊亭圓生、四代目柳家小さん、八代目桂文治、八代目桂文楽、五代目古今亭志ん生、六代目三遊亭圓生を知っている小さんの言葉だけに重みがある。春風亭柳昇は、テレビで観た志ん朝の『文七元結』があまりによくて手紙を書いたという。
まさに落語の神様に祝福されたような人だ。その人を63歳で奪ってしまうのだから、神様も意地が悪いよ。
落語家として最も充実するはずだった60代の志ん朝を、もっと聴きたかった。『男の勲章』で老境を語る志ん朝。『お見立て』の枕で昭和の吉原を語る志ん朝。もっともっと豊かな志ん朝の世界が広がっていたはずなのに。
六代目圓生死して20年、「上手い落語家」としての屋台骨をずっと支え続けてきたんだな。
落語なんて面白ければいい。確かにそうなんだけど、私としてはその真ん中に上手い人がいて欲しいのよ。
余談だが、志ん朝は『文七元結』とか『お直し』『柳田格之進』といった大ネタもいいが、寄席でよく演ってた『風呂敷』『鰻屋』『欠伸指南』『強情灸』なんてのもいいんだよね。

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