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2017年11月10日金曜日

鈴本演芸場 11月上席 夜の部

鈴本演芸場、11月上席、夜の部。6分の入りか。
もともとこの芝居は林家たい平がトリを務めているのだが、この日は休演。代バネで隅田川馬石が出る。
前座は金原亭乃ヽ香。金原亭与之介門下、今年の4月に前座になった。これが美人。『平林』を素直に演じる。
二番手は若手真打、林家たけ平。正蔵の弟子。『金色夜叉』。地噺だな。新作か。いい口調している。古典も聞いてみたいなあ。落語協会のHPを見ると、持ちネタで『大師の杵』、『紀州』とあった。地噺が得意なのね。
ここでストレート松浦のジャグリングが入る。
お次は二つ目昇進の朝太郎改め春風亭一刀。ネタは『牛ほめ』。一朝門下。折り目正しい芸は師匠譲りか。
春風亭正朝、『初音の鼓』。ここんとこ、この人の高座に当たることが多い。ベテランの味。お客を自在に引き込んでいく。明るく軽く、笑いも多い。このネタは、彦六の八代目林家正蔵の高座が懐かしい。ネタの選択もセンスがいいんだよなあ。
柳家小菊の粋曲。緑の着物が小池百合子氏を連想させる。高座返しに現れる乃ヽ香も嬉しいが、小菊姐さんの大人の色気も捨て難い。
古今亭菊丸は得意の『幇間腹』。この人ももう60代後半になるのか。勧進帳の出囃子、いいねえ。「検番」などという言葉も使って、花柳界の雰囲気を出してくれる。一八が、ただのヨイショではなく、きちんと幇間になっているのがいい。
中トリは橘家圓太郎。『試し酒』をたっぷりと。巧いと思う。えっ、私より年下なの? 貫禄あるなあ。
中入りでお客への注意等のアナウンスが入る。最近、これにも客席から拍手が来るんだけど、やり過ぎじゃないかなあ。
クイツキはアサダ二世の手品。相変わらず飄々とした味。
柳家はん治。桂三枝(現文枝)作『妻の旅行』。派手さはないが、本家の文枝より芸の完成度は高いんじゃないかな。ぼやかせたら東京では右に出る者はいない。売り物を持っている人は強いねえ。
膝替わりは紙切りの林家正楽。まずは「相合傘」を華麗に切る。お客からのリクエストは、「トランプ大統領」、「酉の市」、「結婚30周年」の三つ。どれもお見事。
さて、トリは隅田川馬石の代バネ。枕で、昔の職業から由来した町名の話題を振る。「神田竪大工町」の何と言葉が粒立っていることか。他にも粒立った言葉がないか探してみたところ、あった。と言って、思わぬ言葉が飛び出す。場内爆笑。(ネタバレになると馬石に悪いので、自粛。実際に高座で聞いてください。)そこから馬喰町に繋いで、『宿屋の富』に入っていく。ソフトな口調で手堅く笑いを取る。35分の熱演。時折見せるお茶目さがいい。
追い出しの太鼓を背に外に出ると、寒かった。今年の秋は短かったな。


鈴本で買ったクリアファイル。落語協会だけでこれだけの芸人がいる。
真打といえど、誰もが寄席でトリをとれるというわけにはいかないよなあ。いや、出演すら大変な人も、中にはいるかもしれないねえ。

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