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2024年1月9日火曜日

高山T君に会いに行く⑦ のこぎり屋根、真清田神社

愛知県一宮市、人口約37万4千人。中核市に指定されている。かつて日本の産業を支えた紡績・繊維業の一大中心地である。

市内には尾州織物工場の、のこぎり屋根が多く残っている。のこぎり屋根とは、鋸の歯に似た三角形の屋根を持つ建物のことだ。歯の短辺にあたる所に大きな採光窓を設けてある。これによって内部は奥まで明るくなる。また、この窓は北向になっており、間接光のため光量の変化が少ない安定した光源が得られるという、誠に合理的な造りになっている。工場の移転、廃業などで木造のこぎり屋根建築は減少の一途をたどっているが、貴重な文化遺産として保存しようという動きもあるという。

T君が連れて行ってくれた所もそのひとつ、工場をアートギャラリーやカフェとして再利用し、観光スポットにもなっている「のこぎり二」である。


なるほど、中は十分明るい。

織物の機械が保存されていた。


志を感じる施設である。多くの人に訪れて欲しい。


そして、我々は一宮市の市名のいわれとなった真清田(ますみだ)神社へと向かった。

真清田神社、尾張国の一之宮である。祭神は尾張氏の祖神である天火明命(あめのほあかりのみこと)。この神様は天照大神の孫とされる。

尾張の国には熱田神宮がある。社格からいえば熱田神宮の方が高い(何しろ「神宮」だ)はずなのだが、なぜか尾張国三之宮。そういう疑問を持つ人が多いからだろうか、真清田神社の境内にある案内板には「一宮の制度は朝廷や国衙などの公的機関が定めたものではなく、神社の御祭神・御由緒・ご鎮座歴史などが最も古く尊い第一の社を当國の一宮として蒼生(一般の人民)が定め人口に膾炙されたものです」と書いてあった。真清田神社の創建が神武天皇の御代、熱田神宮は景行天皇の御代に創設されたというから、真清田神社の方が古いんだろうな。

では真清田神社をお参りしよう。





ほんとうに尾張国一之宮にふさわしい威風堂々たる佇まいである。

境内社に服織(はとり)神社がある。こちらは昭和40年(1965年)に竣工された。機織りの神様が祀られている。この街の繊維業の守護を祈願して、ということだろう。

うっかりして社殿を撮るのを忘れていた。境内の案内板から。

舟木一夫が奉納したものもあった。


「一宮七夕まつり~おりもの感謝祭」というのが、1956年(昭和31年)から開催されていて、その際にはミス七夕とミス織物が参列し御衣奉納祭が斎行されるという。そのミス七夕、ミス織物の写真が拝殿内に飾ってあった。

どちらも平成のものである。

ちなみに「ミス七夕」「ミス織物」は2022年(令和4年)に廃止となった。市長は会見で、未婚女性に条件を限定したコンテストが時流に合わなくなったこと、コロナ感染収束を見据えこれが見直しのいいタイミングとなること、ミスコン応募者の減少、がその主な理由であると述べている。ボブ・ディランの言うように「時代は変わる」のである。

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