先日、鹿嶋から潮来、稲敷を通って土浦に行った時、潮来の素鵞熊野神社にお参りをした。
潮来市辻にあった小社を、1188年(文治4年)天王河岸に移し、牛頭天王と称したのが始まり。一村一社政策により、1696年(元禄9年)、現在地に移って熊野三社権現と相殿となる。1844年(天保15年)には牛頭天王は素鵞神社に、熊野三社権現は熊野神社に改称される。1877年(明治10年)に素鵞熊野神社となって現在に至る。祭神は須佐之男命、奇稲田比命、速玉男命の三柱である。(潮来市公式HPより)
須佐之男命と奇稲田比命はご夫婦だが、速玉男命とはどのような神様なのだろうか。『日本書紀』を読むと、速玉男之神(はやたまおのかみ)という神様が出てくる。
イザナギノミコトがイザナミノミコトを追って黄泉の国へ行った。イザナギは「私を見るな」というイザナミの禁を犯し、腐乱した彼女の醜い実体を見てしまう。イザナギがイザナミに向かって「もう別れよう」と言って、唾を吐いた時に生まれた神がこの速玉男之神である。全国の熊野神社の祭神がこの神様だという。どうして、という感じがしなくもない。
原田常治の『古代日本正史』によると、速玉男命とは須佐之男命の別名とのこと。須佐之男命は出雲の熊野山に葬られ、和歌山県の熊野速玉大社は出雲に因んで祀られた。熊野神社の祭神は、だから須佐之男命なのだということだ。
牛頭天王も須佐之男命と同一視されており、いずれにしても須佐之男命がこの神社の主神であることに間違いはあるまい。
牛頭天王と熊野三社権現との相殿だったからか、本殿が二つ並んでいる。 |
この下に県の天然記念物になっている大欅があるという。 |
境内社には、明神神社、淡島神社、大杉神社、金比羅神社などがある。 |
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