吉行淳之介『星と月は天の穴』、読了。
タイトルは主人公の小説家が、星をきれいだという女に「あんなものは、空の穴ぼこだよ。」と言い放つ虚無的な言葉に因む。(彼が作中で執筆する小説のタイトルにもなる。)
元ネタは落語だな。親子三人の馬鹿の小噺。
夜空でぴかぴかするものを取ろうとして、竿を振るったり屋根に上ったりする兄弟に向かって親父が言う。「馬鹿、あれは雨の降る穴だ。」それを聞いて母親が「やっぱりお父さんはしっかりしてる。」ってやつ。与太郎噺の枕によく使われる。
それを小説のタイトルに使うというのも、なかなかのセンスだなあ。
話は、40歳の小説家と女子大生の物語。お馴染み、体は合わせるが、心は合わせたくない、吉行的「非人情の世界」である。
『砂の上の植物群』では、ソフトSMが小道具として使われていたが、この作品では何と「入れ歯」。主人公は40歳で総入れ歯、そこに複雑な感情を抱いている。すごい設定だよな。吉行さん、食えない人だ。
この小説に対する開高健の言葉が面白い。「女がオシッコ洩らして、そこからはじまる恋愛小説というのは、古今東西、見当たりませんなあ。」
これが「恋愛小説」かどうかは、作者自身、首をひねっているところではありますがね。
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2012年11月29日木曜日
2012年11月28日水曜日
絵を観に行く
午後から休みをもらう。
笠間に絵を観に行く。
途中、蕎麦屋で昼食。寒かったので、温かい種ものをと思っていたのだが、貧乏性の私は天丼セットを頼んでしまう。しかもセットものの場合、私は決まって盛り蕎麦を頼んでしまうのだ。でも、まあ旨かったからいいか。
日動美術館は企画館がお休み。常設館のみの展示となる。
入ってみると、絵の入れ替えをやっている。ちょっと落ち着かないなあと思ったが、考えてみると、入れ替え前と後の両方の絵を観ることができる。お得だな、と思い直す。
マネ、クレー、ピカソ、シャガール、ユトリロ、佐伯祐三など好きな画家の絵を十分に堪能する。
帰りに国道沿いのカフェでミルクティーを飲んだ。窓の外ではすっかり色づいた里山が雨にぬれる。いいねえ。
晩飯は、鶏の大根おろしソース炒め、アグー豚のベーコンとピーマンの炒めもの、蓮根とさつまいもの煮物、刺身蒟蒻で酒。旨し。
笠間に絵を観に行く。
途中、蕎麦屋で昼食。寒かったので、温かい種ものをと思っていたのだが、貧乏性の私は天丼セットを頼んでしまう。しかもセットものの場合、私は決まって盛り蕎麦を頼んでしまうのだ。でも、まあ旨かったからいいか。
日動美術館は企画館がお休み。常設館のみの展示となる。
入ってみると、絵の入れ替えをやっている。ちょっと落ち着かないなあと思ったが、考えてみると、入れ替え前と後の両方の絵を観ることができる。お得だな、と思い直す。
マネ、クレー、ピカソ、シャガール、ユトリロ、佐伯祐三など好きな画家の絵を十分に堪能する。
帰りに国道沿いのカフェでミルクティーを飲んだ。窓の外ではすっかり色づいた里山が雨にぬれる。いいねえ。
晩飯は、鶏の大根おろしソース炒め、アグー豚のベーコンとピーマンの炒めもの、蓮根とさつまいもの煮物、刺身蒟蒻で酒。旨し。
2012年11月25日日曜日
ありふれた休日
朝、トーストとかりかりに焼いたベーコン、コーンポタージュスープ。
今日はお出掛けはなし。
いい天気。庭で息子と野球をして遊ぶ。
昼はスパゲティー・ナポリタン。日曜の昼によく似合う。旨い。
ケチャップといえば、昔、牛久に「のぶちゃん」という洋食屋があり、そこのチキンライスが私は好きだった。バターが効いて旨かった。オムライスは時々食べるけど、最近チキンライスを食べる機会がなくなった。
ぽつりぽつりと吉行淳之介を読む。短編集『悪い夏・花束』を読了。『原色の街・驟雨』にとりかかる。甘美な苦悩も、魂を揺さぶる感動もない。あるのは乾いた諦念だ。そこに心惹かれる。
夕食は大根と豚ばら肉の中華風鍋。味付けには胡麻油とオイスターソースを使う。旨し。他に油揚げの焼いたの、シューマイ、モツ煮込みでビール、酒。
特別なことは何もない休日。でも、かけがえのない一日。
今日はお出掛けはなし。
いい天気。庭で息子と野球をして遊ぶ。
昼はスパゲティー・ナポリタン。日曜の昼によく似合う。旨い。
ケチャップといえば、昔、牛久に「のぶちゃん」という洋食屋があり、そこのチキンライスが私は好きだった。バターが効いて旨かった。オムライスは時々食べるけど、最近チキンライスを食べる機会がなくなった。
ぽつりぽつりと吉行淳之介を読む。短編集『悪い夏・花束』を読了。『原色の街・驟雨』にとりかかる。甘美な苦悩も、魂を揺さぶる感動もない。あるのは乾いた諦念だ。そこに心惹かれる。
夕食は大根と豚ばら肉の中華風鍋。味付けには胡麻油とオイスターソースを使う。旨し。他に油揚げの焼いたの、シューマイ、モツ煮込みでビール、酒。
特別なことは何もない休日。でも、かけがえのない一日。
2012年11月23日金曜日
「歩道橋の上から愛が見える」―尻手近辺―
この間、川崎を歩いた時の写真。
尻手駅近くの歩道橋からの眺め。
私はこの歩道橋を渡る度、友川かずきの『歩道橋』を連想する。
天気のいい日は、南武線の高架橋の向こうに富士が見える。
私がいたアパートの路地を出た所にあるお豆腐屋さん。
まだ元気に営業中だ。
尻手駅へ向かう道にある仕立て屋さん。何度この看板の下を歩いたろう。 「“超”高級」というのがいいねえ。
尻手駅近くの歩道橋からの眺め。
私はこの歩道橋を渡る度、友川かずきの『歩道橋』を連想する。
天気のいい日は、南武線の高架橋の向こうに富士が見える。
私がいたアパートの路地を出た所にあるお豆腐屋さん。
まだ元気に営業中だ。
尻手駅へ向かう道にある仕立て屋さん。何度この看板の下を歩いたろう。 「“超”高級」というのがいいねえ。
2012年11月20日火曜日
風邪の日々
先週の半ばから風邪を引いている。
初めは喉をやられ、今週になって咳が酷くなった。
土曜日には声が出なくなった。熱もなく体は動くし、頭もはっきりしているのだが、声が出ない。立川談志はさぞ辛かったろう。
医者に2回行って、薬も飲んで、やっと快方に向かってきた。
夜は酒も飲めないので、ずっと本を読んでいる。
ここんとこは、吉行淳之介。
代表作『砂の上の植物群』『暗室』を読み、晩年の短編集『目玉』に取り掛かっている。
それにしても、子どもがゲームやったり、妻が雑誌読んだりしている隣で吉行を読むというのも、なかなかスリリングでいいな。
ここで写真をひとつ。笠間稲荷付近のお饅頭屋さん。雨の中、立ち上る蒸気が暖かそうだ。
初めは喉をやられ、今週になって咳が酷くなった。
土曜日には声が出なくなった。熱もなく体は動くし、頭もはっきりしているのだが、声が出ない。立川談志はさぞ辛かったろう。
医者に2回行って、薬も飲んで、やっと快方に向かってきた。
夜は酒も飲めないので、ずっと本を読んでいる。
ここんとこは、吉行淳之介。
代表作『砂の上の植物群』『暗室』を読み、晩年の短編集『目玉』に取り掛かっている。
それにしても、子どもがゲームやったり、妻が雑誌読んだりしている隣で吉行を読むというのも、なかなかスリリングでいいな。
ここで写真をひとつ。笠間稲荷付近のお饅頭屋さん。雨の中、立ち上る蒸気が暖かそうだ。
2012年11月18日日曜日
2012年11月14日水曜日
色物伝助
私は落研時代、自分で言うのも何だが、ずっと真面目な古典落語を演っていたのだが、一時期、「色物伝助」と呼ばれていたことがある。
あれは2年の初めの頃。先輩の真打昇進披露寄席で、一度ならず二度までも色物で出演したのだ。
最初は二代目松風亭歌ん朝さんの時。この時は、落語家の形態模写で出た。
はっきり言って、当時、春風亭小朝が演ってたやつの真似。自分なりに工夫は入れてるけどね。新入生勧誘の時、遊びでやっていたのを見て、歌ん朝さんが起用してくれたのである。
レパートリーは、七代目橘家圓蔵、五代目柳家小さん、古今亭志ん朝、立川談志、八代目林家正蔵。正蔵の声色で『藁人形』のサゲを、「糠はいけねえ釘屋の娘。」とやって、八海君に「師匠、サゲが違います。」と言わせ、オチとした。
二度目は初代夢三亭海太郎さんの時。この時は、音曲と称し、ギターの弾き語りでアリスの『チャンピオン』を歌った。
海太郎さんはフォークソングが好きで、よく部室でギターを弾いていた方だが、私が1年の時茶話会で歌った『チャンピオン』を気に入ってくださったようだ。(微妙だが、谷村新司と堀内孝雄の歌い分けもやってみた。)
高座では、海太郎さんも一緒にギターを弾き、酒合丈君が「キンちゃん(矢沢透)」役で二人の後ろに立って手拍子を打ってくれた。
こうやって並べてみると、結局二つともモノマネか。
でも、大学4年間で寄席に出た色物は、この二つだけだったな。皆、生真面目に落語ばっか演ってたんだ。
今の落研は、落語より色物の方が元気らしいと聞く。それもちょっと寂しいなあと思う。
あれは2年の初めの頃。先輩の真打昇進披露寄席で、一度ならず二度までも色物で出演したのだ。
最初は二代目松風亭歌ん朝さんの時。この時は、落語家の形態模写で出た。
はっきり言って、当時、春風亭小朝が演ってたやつの真似。自分なりに工夫は入れてるけどね。新入生勧誘の時、遊びでやっていたのを見て、歌ん朝さんが起用してくれたのである。
レパートリーは、七代目橘家圓蔵、五代目柳家小さん、古今亭志ん朝、立川談志、八代目林家正蔵。正蔵の声色で『藁人形』のサゲを、「糠はいけねえ釘屋の娘。」とやって、八海君に「師匠、サゲが違います。」と言わせ、オチとした。
二度目は初代夢三亭海太郎さんの時。この時は、音曲と称し、ギターの弾き語りでアリスの『チャンピオン』を歌った。
海太郎さんはフォークソングが好きで、よく部室でギターを弾いていた方だが、私が1年の時茶話会で歌った『チャンピオン』を気に入ってくださったようだ。(微妙だが、谷村新司と堀内孝雄の歌い分けもやってみた。)
高座では、海太郎さんも一緒にギターを弾き、酒合丈君が「キンちゃん(矢沢透)」役で二人の後ろに立って手拍子を打ってくれた。
こうやって並べてみると、結局二つともモノマネか。
でも、大学4年間で寄席に出た色物は、この二つだけだったな。皆、生真面目に落語ばっか演ってたんだ。
今の落研は、落語より色物の方が元気らしいと聞く。それもちょっと寂しいなあと思う。
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