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2017年10月20日金曜日

三上寛、テレビで歌う


先日、録画しておいたフォークソングの番組を見た。
その中の「フォークソング・ゼミナール」という、なぎら健壱と坂崎幸之助がやっているコーナーのゲストに、三上寛が出たのだ。
三上寛、1950年、青森県北津軽郡小泊村生まれ。1971年、『三上寛の世界』でレコードデビュー。同年の中津川フォークジャンボリーの過激なステージは伝説となっている。(その時、なぎら健壱は客席にいたという)
その名前の音だけ聞けば、以前、大福さんがブログで書いたように、「ミカ&みかん」という少女ディオと誤解されかねない。しかし、実際は「みかみかんさんです」と言うと、短髪で小太りのおっさんが登場するのだ。そして、現代詩さながらの難解な歌詞を、泥臭いマイナーコードの曲に乗せ、野太い声で歌い叫ぶのだ。どう見ても、どう聴いても、只者でないことだけは、分かる。この日のタイトルも「フォークソング怪人伝」と銘打たれており、その三上の、只者ではない様子が如何なく発揮されていた。
実は、私にとって三上寛は、以前この番組で取り上げられた友川かずきと並んで、最も熱狂して聴いた歌手の一人。高校の頃、友川のラジオ番組で、三上寛を最初に聞いた衝撃は忘れられない。巨大な肉塊がごろんと転がり、血の涙を流しながら歌う、そんな趣があった。(それはきちんとした分析などできるものではなく、このような比喩を用いてしか表現できない。)
大学時代、川崎の路地の奥の四畳半の部屋で、私は友川かずきの『友川かずき撰集』『桜の国の散る中を』と、三上寛の『負ける時もあるだろう』『三上寛1972コンサートライブ”零孤徒”』を、サントリーレッドをあおりながら、それこそ繰り返し繰り返し聴いたものだった。
この日三上は、『夢は夜ひらく』と『東京だよ、おっかさん』の2曲を歌った。声もパワーも昔のまま。テレビでも十分圧倒されるステージだった。
最近、三上は友川とヨーロッパでライブをやったという。
昔読んだ、友川のエッセイ集『生きているっていってみろ』の中の、三上が友川のアパートに遊びに来る話を思い出した。二人は友川のアパート近くのとんかつ屋でビールを飲み、アパートで酒を酌み交わす。友川のアパートは私のアパートとは番地1つしか違わない所にある。私はすぐ近くで、二人の天才が、飲み、食い、語り合うのを想像し、感動に打ち震えたものだ。
三上と友川の友情が続いていることが、とてもうれしい。三上も友川も、すこぶる元気だ。こういう人たちが先を走っているのを見ると、私もまだまだ頑張らなきゃな、と思う。

もともとこの曲は刑務所の中で歌われていたものだとのこと。
採譜した曽根幸明一押しの、三上寛版『夢は夜ひらく』であります。
 
さすがにテレビでは「カルピス」とは歌えなかったか。
 

以前、三上はエレキギターの弾き語りをやっていたけれど、やっぱりアコースティックの方がいいなと、私は思いました。

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