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2016年7月20日水曜日

火の見櫓

この辺りは田舎なもので、火の見櫓がそこここにある。
大体は消防団の分団詰所の近くだ。
しゅっとした細長い鉄塔に三角状の屋根があり、半鐘がぶら下がっている。

半鐘といえば、古今亭志ん生・志ん朝親子の十八番『火焔太鼓』のサゲ、「半鐘はいけないよお、おじゃんになるから」でもお馴染み。半鐘の打ち方は、火元が遠い順に「一つ番」「二つ番」「三つ番」とあって、1度に叩く数で緊急の度合いが分かるという。いちばん近いのが「擦り番」。半鐘の中に撞木を突っ込んでがらがらがらとかき回すのである。これもやはり落語『火事息子』や『鼠穴』などのマクラから教わった。

ところが、ちょっと前、半鐘をねらった窃盗団が出たことがあったからか、火の見櫓からは次々と半鐘が撤去されてしまった。
それだけではなく、火の見櫓自体も、老朽化の波を受け、ひっそりと姿を消しつつある。
無理もない。今や防災無線がある。誰かが火の見櫓に上って半鐘叩く必要もないだろう。

でもね、火の見櫓のある風景、実は私、好きなんだよね。
この前、休日出勤をしたついでに幾つか写真に撮って来た。
以下に掲載します。

小美玉市田木谷。
海軍百里ヶ原飛行場(現航空自衛隊百里基地)の見張り塔を転用したものだという。
米軍の機銃掃射の弾痕が残っているらしい。

鉾田市借宿。
消防団の車庫の上に建てられている。ちょっと珍しい。

小美玉市小塙。
形としてはいちばん好きかな。
近くで見るとけっこうぼろぼろだった。

ふと、ボブ・ディランの『見張り塔からずっと』という曲を思い出した。関係ないけど。

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