ページビューの合計

2017年11月28日火曜日

国分寺

長男と福々食堂で昼食を食べた日、石岡の街を散歩した。
「国分寺に行ってみたい」と言うので、連れて行く。

741年(天平4年)、聖武天皇の命により各国に建立された、あの国分寺である。
当時は七重塔があり、寺域は東西270m、南北240mに及び、全国有数の規模を誇ったという。932年(天慶2年)の平将門の乱、1590年(天正18年)の佐竹氏侵攻による大掾氏滅亡等の兵火で相次いで焼失し、衰退した。中世以降無住の寺となったが、慶長年間(1596年~1615年)に近くの千手院の末寺となり、大正8年(1919年)になって千手院と合併、千手院の方が廃寺となった。現在は真言宗浄瑠璃山東方院国分寺という。かつては元亀元年(1570年)に建てられた仁王門があったが、明治41年(1908年)4月22日に焼失している。

山門。旧千手院から移築された。

本堂。

御本尊、薬師如来を安置している薬師堂。
仁王門があった所の正面にある。



太田道灌が「法の声それとや通ふ国分てふ暁深き庭の松風」という歌を詠んでいる。
(『いしおか昭和の肖像』より)
常陸国分寺跡は国指定の文化財(特別史跡)となっております。

その日は、石岡囃子の行事があったのか、お祭りの山車が出ていた。




石岡の街をぶらつく。


関東鉄道労働組合本部。

看板建築、喫茶四季。
以下は石岡市の登録文化財です。

東京庵。



福島砂糖店のトロッコ線路。


府中誉。

気持ちのいい天気、息子との散歩もいいもんです。

2017年11月26日日曜日

いいよお、養老乃瀧


上野の養老乃瀧。この前、寄席に行った時に入った。
私はチェーン店では自由度の高い店が好き。どこへ行っても同じメニュー、同じ味なんていう、金太郎飴みたいな所はあまり好きじゃない。
そこへいくと養老乃瀧はいい。ほとんど個人経営の居酒屋みたい。
昔は方々にあって、学生時代は小田急線の向ヶ丘遊園店とか狛江店とかをよく利用していたな。数年前までは地元石岡にもあり、仕事の飲み会の帰りに立ち寄るのが楽しみだった。それが、みーんななくなっちゃった。寂しいもんだ。
でも、さすが上野。この道の両側に1軒ずつ。しかも割と近い所に店を出している。(今回で2軒とも制覇しましたよ。)

まずはビールと串もの。
ビールはサッポロ黒ラベルだが、養老ビールとも書いてある。
昔は「YORO」を前面に押し出していたよね。

焼きとんと鳥皮。
辛みそを添えてあるのがうれしい。

店長おすすめ、まぐろぶつ。

こうなると、熱燗ですなあ。
まぐろぶつは醤油につけて、ヅケ風にして食べる。

ビール1本、酒2合、小1時間のんびり過ごして2300円也でありました。
養老乃瀧にはこれからも頑張ってほしいものであります。

2017年11月21日火曜日

福々食堂 スタミナ炒め定食


石岡駅前、福々食堂、スタミナ炒め定食。780円。
この前の日曜日、妻と次男が出かけて、私と長男で留守番をしていた。
お昼ぐらいは外に出ようということにして、「どこへ行きたい?」と訊くと、長男は「前に寄席に行った時、晩御飯を食べた所に行きたい」と言う。
それが、福々食堂なのである。
あの時は、新宿末広亭の昼席を観て、帰りに石岡駅で降りて晩飯を食べたのだった。長男は炒飯を、私はスタミナ炒めを頼んで燗酒を飲んだ。
今回も、長男は炒飯、私がスタミナ炒め定食。芸がないなあとは思うけど、好きなんだもん、しょうがない。
スタミナ炒めは、肉、もやし、ニラなんてところを味噌だれで炒めた逸品。白飯にどんぴしゃ、旨し、であります。
では、アップで。


メニューが多く、昔はよく飲み会のシメで使ったものだ。次は、「辛さ一番、インドラーメン」に挑戦してみようかなあ。
正しい駅前食堂。店構えも、なかなか味があるでしょ。
機会があったら、是非お試しください。



2017年11月19日日曜日

潮来を歩く

牛堀を歩いた翌日は、潮来を歩く。
水郷潮来。茨城県を代表する観光地だが、シーズンは初夏の「あやめ祭り」の時期。この季節は釣り客がいるくらいで、ひっそりとしていた。



まずは前川あやめ園に行く。

「潮来花嫁さん」の歌碑。

遊覧船の中継地点になっている。

潮来の名刹、長勝寺にお参り。1185年創建。源頼朝が建立し、徳川光圀が再建した。
松尾芭蕉が『鹿島紀行』の帰りに立ち寄ったとされる。

正門。

山門。
最初、別のお寺で建立されたのだが、光圀公の命により、ここに移築された。

本堂。

芭蕉の句碑。
「旅人と我名呼ばれむ初しぐれ」

野仏の近くには無縁仏の供養塔があった。

西円寺。「遊女の墓」「一茶の碑」の看板。
看板の左手に見えるのが、一茶の句碑。
「三味線で鴫(しぎ)を立たせる潮来かな」
筆跡は夏目漱石とのこと。

街中をぶらつく。

客を待つ娘船頭さんがちらほら。



1時間ほど歩いて昼食にする。蕎麦が食べたかったので、目についた「つか本」という蕎麦屋に入る。

玉子とじ蕎麦。650円。

近くの稲荷山公園に向かう。


稲荷山公園より潮来市街を望む。

稲荷神社。


またいつか、潮来で宴会というのもいいなと思いました。

2017年11月18日土曜日

牛堀を歩く

先日、潮来市牛堀をぶらついた。
合併前は行方郡牛堀町。霞ケ浦と波逆浦を結ぶ北利根川沿いにあり、昔から景勝地として知られた。特に葛飾北斎が描いた「富嶽三十六景」の「常州牛堀」で有名。(それに因んで水郷北斎公園という公園がある。)川瀬巴水という大正、昭和初期に活躍した浮世絵師も牛堀を題材にした何種かの絵を残している。
土浦と潮来を往復していた定期船は、この牛堀にも停まった。壇一雄の『火宅の人』では、主人公と愛人の女優が別れ話をしに、小旅行にやって来る場面がある。これがいい。以下引用してみる。
「私達の様子がおかしかったせいか、牛堀の宿の女中達もよそよそしかった。刻々暗くなってゆく湖面の見渡せる部屋に、料理とビールだけを放り込むようにして去ってゆく。
 (中略)
 暗い水面は何も見えないが、そのひろがりだけはしかと感じられる。そのひろがりに向って飲んでいると、幼年の日から今日迄のとりとめのない自分の生涯が思いおこされて、空々漠々、一体、何のよりどころを持ちながら生きてきたと云えるのだろう。
 おのれを放ったこのどえらい天然の旅情にだけは忠実であれと、長年自分に云い聞かせてきたつもりであったが、今はたどたどしく、一女性の肉感にすがりついているようなものだ。
 どこかで船の発動機の音が湧く。その音が次第に遠ざかる。音もない茫々とみじめに暗い湖の面が、その湿気を息長く吹きよせているだけだ。何かヒキ蛙の啼き声に似た幽かな声がいつまでも聞こえている。
『いいお風呂よ。入って来ない?』
 私はいつのまにか帰ってきていた恵子の声に、にわかに雨戸を立てて、男の不実をなじりながら涙するこの湯上りの女の肌に、がむしゃらにしがみついてゆくのである。」
 
水郷北斎公園の駐車場に車を止め、歩き出す。
川沿いにはテントが立ち並んでいた。何かウォータースポーツの大会をやっているらしい。
それを横目で眺めながら川沿いを歩く。北斎や巴水の描く情景が、眼前の風景に重なる。






路地を入って、街並みを愛でる。




飲み屋さんだったのだろうか。



古い理容店を見つける。

いいなあ。


1時間近く歩いたかな。往時を偲ばせる建物がそこここに残る。歴史のある街だなあと思います。

牛堀町当時のマンホールの蓋を見つけた。