ページビューの合計

2018年5月28日月曜日

世之助くん来訪

この前の週末、落研の同輩、世之助くんが遊びに来た。
世之助くんは数日前、長野県の二代目風柳さんの家を襲撃したばかり。今回は三代目風柳である私の所だ。これで彼はこの数日間に、二代目、三代目の風柳を相次いで制覇したことになる。
午後2時過ぎ来着。聞けば、家に来る前、石岡の総社宮と小川の素鵞神社で御朱印をもらってきたという。そうか世之助くん、寺社巡りが好きなのか。では、せっかくだから石岡を案内しよう、ということで、金比羅神社や国分寺、看板建築を紹介した。金比羅神社境内の正岡子規の句碑、国分寺の都々一坊扇歌堂など喜んでくれたようだ。
カスミストアで買い出しをして帰り、明るいうちから飲み始める。
父がカラオケ部屋に使っているプレハブを借りたので、気兼ねなく酒を酌み交わす。
酒は、ヱビスの大瓶、郷の誉「山桜桃(ゆすら)」、府中誉「渡舟」の豪華ラインナップである。
美酒を片手に話に花が咲く。世之助くんはアクティブで物怖じしない。落研の大先輩とも進んで交流し様々なイベントでも存分に力を発揮している。現役たちやOBの方々の様子を楽しく教えてくれた。
実は世之助くんとは卒業後、疎遠になっていた時期があったのだが、その頃のことも話してくれた。早くに父上を亡くし、色々苦労したんだな。それでも泣き言一つ言うでもなく、力強く現在を語る彼を、私は「偉いやつだな」と思った。
酒宴は日付が変わる頃まで続いた。

翌日、世之助くんが鹿島神宮に行ったことがないと言うので、連れて行く。
鹿島神宮をじっくりと見て、東国三社のひとつ息栖神社に行った時に、世之助くんの電話が鳴る。仕事が入ったそうだ。残念だが、東国三社巡りはお預け。小川で蕎麦を食べて帰る。
「またな」と言って世之助くんは帰って行った。世之助くん、香取神宮はこの次に取っておこう。それとも商売繁盛の神様、笠間稲荷の方がいいか。いずれにしても、また来ないとな。次も茨城の旨い酒を用意して待っているよ。

写真は鹿島神宮と息栖神社です。









2018年5月22日火曜日

池袋駅西口 三福

東京散歩のシメは、池袋駅前の三福だった。
ずいぶん昔からあるやきとんの店。気にはなっていたのだが、入るのは初めて。
夕方4時半過ぎにもかかわらず、客は多い。カウンターに座ったが、間もなく満席となった。
取りあえず瓶ビール。ねぎ間とシロをたれで頼む。
おすすめがぎっしり書かれているホワイトボードを見ると、とびうおの刺身があるではないか。大学のゼミ合宿で御宿に止まった時、土地の魚屋さんに教えてもらって食べた思い出の味。迷わず注文する。
すると、最初に刺身が登場してきた。これじゃ日本酒を頼まなきゃ、と燗酒(2合)をもらう。



わさびとしょうがが付いてきたが、ここはしょうがを選ぶ。爽やかな辛さ。とびうおによく合う。
ビールもけっこうあったので、ちびちび飲んでいると、やがてねぎ間とシロもやって来る。


ねぎ間はビールで、シロと刺身は日本酒で、それぞれきっちりいただく。
カウンターの客のほとんどは一人飲み。皆、会話もなく黙々と飲む。
多くの客がホッピーを飲んでいたな。東京の一人飲みは、ホッピーが流行っているのか。
1時間ほど楽しんで、しめて2300円ちょっと。店を出てもまだ明るかった。
メニューも多いし居心地もいい。池袋演芸場昼席の後は三福、私の中では定番になりそうだ。


東京だと、明るいうちから飲んでいても、さほど後ろめたさを感じないのがいい。

2018年5月21日月曜日

岐阜県土岐市駄知町

「松風亭日乗」岐阜県特派員を自認する高山T君からメールが来た。
岐阜県土岐市駄知町のレポートである。以下に全文を掲載する。

   *   *   *

誰かの影響だろうか、最近、近場の街歩きを楽しむようになった。今回は多治見の隣、土岐市駄知町に行って来た。
土岐市駄知町は多治見から車で30分ほど。かつては丼の生産で栄えており、土岐市まで輸送用の鉄道が走っていた。
現在、昔ながらの街並と煙突のある街で売り出そうとしている。

隠れキリシタンの歴史もあったのかと驚いたが、さにあらず。70年ほど前、町が自前の発電システムを作った。それを記念する像である。


かつては陶器の商売で栄えた旧家は、重厚な佇まいを見せている。
こんな小さな街にも造り酒屋がある。「千古乃岩」今度探して飲んでみよう。




煙突は重油や石炭で陶器を焼いていた名残で、現在はガスを使っている。煙突はモニュメントと化しており、どこかジブリの世界を思わせる。





雪が積もったような花を咲かせているのは、ヒトツバタゴの木で、なぜか壱岐等、九州の一部と岐阜県の東濃地方にしかない。巨木になると迫力満点である。


時計屋さんは、どんな時計を売っていたのか。誇らしげに「一級技術者の店」とある。


心惹かれる駄知の街、それはいつもと同様に「兵どもが夢の跡」だからであろう。

   *  *  *

駄知町について、ちょっと調べてみた。
美濃焼の産地として知られ、特に丼の生産を得意とする。
街には14本の古い煙突が立ち、「煙突のあるまち・だち」として売り出し中。
毎年、10月の第一土日には「駄知どんぶりまつり」が行われ、どんぶり1000種の展示や大テント市に窯元めぐり、美味しいどんぶり料理など、駄知の魅力がすべて楽しめるという。(駄知町公式ホームページより)
ちなみに、ものまねタレント、神奈月の出身地らしい。(ウィキペディアより)

いいねえ、T君。行ってみたいよ。


2018年5月20日日曜日

池袋演芸場五月中席 昼の部

12時半過ぎ入場。客席はほぼ埋まっていた。後ろの方に空席を見つけて座らせてもらう。
高座には二つ目の古今亭菊次が上がっている。ネタは新作。奥様方の陰口の噺。その場にいない人の悪口って、どうしてこんなに盛り上がるんだろうね。
古今亭菊太楼は『長短』を堅実に演じる。男の友情の噺。二人とも仲がいいよねえ。
お次は夫婦漫才、おしどり。女の方がアコーデオンを弾いて歌い、男の方が針金細工をするというスタイル。夫婦漫才だから、夫より妻が強いのは最早定番だ。夫はにゃんこスター、妻は内海桂子かあした順子みたいな感じ(ずっと若いけどね)。「いちばん遠くから人に針金細工を進呈」と客席に呼びかける。自分から「田舎から出てきました」と名乗り出る人は少ないわなあ、と茨城県からやって来た私は思った。
春風亭一之輔登場。客席からは「待ってました!たっぷり!」の声が掛かる。ネタは『新聞記事』。売れっ子のオーラは輝くばかりだが、本質的には引きの芸。どこか小三治の匂いがする。
古今亭菊生が、父圓菊の出囃子「武蔵名物」で高座に上がる。ネタは『権助魚』。
ペペ桜井のギター漫談。おなじみの芸。いつも同じということが尊い。
春風亭百栄は漫談と小噺で客を笑いモードに誘う。怪しい雰囲気は相変わらず。変なオーラが癖になる。
柳家花緑は『あたま山』。この噺を見事に売り物にしたねえ。一時期停滞していた印象があるが、まだまだ暴れているなあ。桂枝雀が向こうに見える。私はこの人の高座に漂う清潔感が好き。
林家正楽がふわふわと現れる。鋏試しに「相合傘」、お客の注文で「ビルマの竪琴」「野ざらし」「流鏑馬」を見事に切ってみせる。
仲トリは柳家さん喬。得意の『そば清』。清兵衛さんの原型は十代目金原亭馬生か。それに加えて小さん譲りの鮮やかな仕草。寄席のさん喬を聴く至福のひと時。
ここで中入り。平日の昼席で立ち見が出ている。
くいつきは古今亭菊之丞。きれいな高座だねえ。色気はあるが、口調は男っぽい。『親子酒』で中入り後のお客を高座に引き付ける。
膝前は林家正雀、『茄子娘』。故入船亭扇橋の得意ネタだった。この人、意外と熱演型だったんだねえ。
膝代わりは漫才、ホンキートンク。東京の漫才も大分世代交代が進んだなあ。面白いっす。
トリは古今亭志ん弥。圓菊門下。1988年真打ち昇進。67歳、落語家としては円熟期だ。風貌が古今亭志ん朝を思わせる。ネタも志ん朝が得意にしていた『鰻の幇間』。この日東京は夏日だった。その暑い中を半日ほっつき歩いて、この噺を聴けたことに感慨深いものがある。古今亭の型、古今亭の口調。骨格がしっかりしている。ただ今回はトチリが目立ったのが残念。特に一八が勘定を払う前、女中相手に愚痴をこぼす場面でもたついたのは(巧く言葉は繋いでいたものの)惜しい。

1日のシメは池袋駅前「三福」のカウンターで一人酒。詳しくはまた「飲んだり食ったり」で御報告します。

2018年5月19日土曜日

東京散歩③ ~駒込から巣鴨~

 JR駒込駅まで来ると、すぐ隣が巣鴨だということに気がついた。
じゃあ、せっかくだから巣鴨まで歩こう。
山手線の線路沿いの道を巣鴨に向かう。

この先の橋の下を山手線が走っている。

巣鴨駅近く。プロレスグッズの専門店。
巣鴨駅前に出る。ここまで来ると、とげぬき地蔵尊をお参りしたくなる。
地蔵通り商店街へと向かう。




テレビなんかではよく見ているけれど、実際に来たのは初めて。「おばあちゃんの原宿」って、どんな所なんだろう。

平日の昼間にもかかわらず、けっこうな賑わい。

巣鴨地蔵尊にお参り。

そろそろお昼時。目星をつけていた商店街の入り口付近の店に入る。

甘味を売っていて食事もできる。そういうお店の屋号に「伊勢屋」が多いような気がする。
何か謂れがあるのだろうか。
この日は暑かったからね、取りあえずビール。
昆布の佃煮がうれしい。



カツが食べたかったので、カツカレーにする。
カレーをつけたカツをつまみにビールを飲む。

カレーにも肉がごろごろ入って旨かった。

店内はこんな感じ。
この後、ぞろぞろお客が入って来た。
いい気分になって、もうちょい商店街を歩く。なんかゆったりしていていい感じ。


イオンがあって、ちょっとびっくり。

行列ができている食堂もあった。

路地も風情があります。

やはり巣鴨のイメージはこうでしょうな。
ちょうどいい時間。妻子にお土産に塩大福を買う。
巣鴨駅に戻って、電車に乗って池袋に出て、演芸場の客になる。
昼席をたっぷり堪能して参りました。
寄席のレポートは次回。

2018年5月18日金曜日

東京散歩② ~千駄木から駒込~

三崎坂を下りきって不忍通りを渡り、団子坂を上る。
この辺りはもう千駄木。落研の大先輩、二代目松竹亭金瓶梅さんの住所が千駄木だったな。憧れの名人だった。確か3年春合宿での真打ち昇進は、うちの落研の最速記録だったと思う。



お寺の門柱に象が。
狛犬ならぬ狛象か。

やがて道は本郷通りにぶつかる。
「本郷もかねやすまでは江戸の内」という句があるが、江戸の外側へ向かって歩く。
大通りの割に看板建築などの味のある建物がけっこうある。




いつしか駒込に入る。江戸時代は駒込村だ。
富士神社があったのでお参り。
祭神は木花咲耶姫。創立年代は不明だが、江戸期の富士信仰の拠点になった。
拝殿は富士山に見立てた富士塚の上に立つ。もともとは前方後円墳らしい。
近くに鷹匠屋敷があり、また駒込村が茄子の産地であったことから、「一富士、二鷹、三茄子(なすび)」という言葉が生まれたという。



富士塚の登り口には、彩色石碑がずらりと並ぶ。
拝殿は新しい。
後円部の頂上に建っている。

この辺りが前方部なのだろう。


富士神社を出て、なおもしばらく歩く。
まだまだ本郷通りには味のある建物が多い。




JR駒込駅近くのカフェで一休み。ホットコーヒー、320円。
この時点で早くも一万歩を超えた。