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2017年2月10日金曜日

大竹聡『多摩川飲み下り』

「奥多摩から多摩川沿いに、のべ27日かけて、ひたすら歩いちゃあ酒を飲む。目指す終点は川崎駅のそのまた先の多摩川河口」(高野秀行の解説より)という本。
延べ日数は27日だが、4、5年はかかっている。何しろ奥多摩を出発したのが、2010年。次の白丸の辺りで東日本大震災を引き起こした大地震に遭遇する。あとがきの日付が2016年の8月だもんね。
「絶対に真似したくなる」と解説を書いた高野氏が言うように、私も真似したい!(珍しく感嘆符なんか付けちゃうよ)
何しろ、私は学生の時分、尻手から登戸まで南武線に乗って学校へ通っていたのである。この本の後半戦は、まさに私が毎日往復していた辺りの情景なのだ。
しかも、奥多摩、御嶽、青梅は、十何年か前、飛騨高山のT君と「つげ義春の『奥多摩貧困行』を旅する」と称してうろついた辺りなのだ。
そうそう、ここここ、こんな感じ。読みながら何度私は膝を打ったことか。
ラーメン、蕎麦、鰻、ハムカツ、焼鳥、ピザ・・・、登場する食べ物は多種多彩。それに合わせる酒も、ビール、日本酒、サワー、ウィスキー、何でもござれ。まさしく酒に貴賎なし。読みながら、何度私は唾を飲みこんだことか。
文章もまた軽妙洒脱。心地よいリズムだな、と思っていたら、六郷の渡しを紹介するくだりで「江戸を出て日も浅い旅人の路銀も豊かで、さぞや賑わっていたのではないかなどと、古今亭志ん朝演じます『品川心中』など思い返しながら想像する」とあるところを見ると、落語ファンでもあったのね。

この本に出てくる場所の写真を、私も何枚か撮っているので、紹介してみる。
「(二俣尾の)駅を過ぎると、道沿いに、『主婦の友』という巨大看板を掲げた書店が見えてきた。看板の背後は瓦屋根。昔ながらの平屋だけど、店頭のラックには、週刊誌や各種情報誌がぎっしり、奥に実用書や話題書なども取りそろえているように見えた。私が若かったころには、地元にいくつかあった書店さんである。」
その本屋が、これです。



「商店街を抜けていく。和泉多摩川駅にこうした商店街があることを知らなかったからいかにも新鮮なのだが、ぶらぶらしていると、飲み屋さんもあるし、コインランドリーが目につくので、学生さんもたくさん住んでいるのかと想像する。さて、どこかに大学でもあったのかどうか。」
では和泉多摩川の駅前商店街です。


近くに大学ありますよ。(私の出た大学です)
落語家の桂小文治さんも学生時代住んでおりました。

いいねえ。たぶん何度も読み返すことになるだろうな。

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