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2010年3月3日水曜日

平磯の宴②

翌朝、7時半に起床。カーテンを開けると、どんよりとした曇り空。強風で目の前の街灯が揺れる。海は昨日と同じ大荒れだ。
朝食は昨夜と同じ大広間。ご飯、味噌汁、鯵の干物、ハムサラダ、納豆、焼き海苔、カニ足、ひじき、ほうれん草のおひたし。正しい日本の朝ご飯だ。普通に旨い。
窓の上に平磯の古写真が飾ってある。昭和初期の観光絵葉書だな。大漁の様子、海水浴の光景、いいなあ。この宿のもある。規模や造りは今と同じような感じ。海際の棟と高台の棟を通路で結んだ「工」の字型。ただ、昔は高台に矢場があって、それが売り物だったらしい。明治時代の創業だという。現在は老舗旅館という感じではないが、かえって渋く、私好みだ。
朝食の途中から雨が降り出した。けっこう強い。心なしか霙が混じっているような気がする。
1時間ほどのんびりして、部屋に戻る。テレビをつけると、チリの大地震のニュースをやっていた。M8.8で死者も多数出たという。実は昨日、部屋から目前の海を眺めながら、津波が来たらひとたまりもないな、と思っていたのだ。情報では、昼過ぎ、日本の太平洋沿岸に1mから2mの津波が到達するという予想だった。2mといったら堤防を越えるかもしれない。でも、予想は昼過ぎ、まだ時間はある。もう少しのんびりしたい。
すると、サイレンが鳴り、地区の防災無線で「津波警報が発令されました。住民の皆さんは高台に避難してください」とのアナウンス。長居をすると宿の人にも迷惑がかかる。大急ぎで荷物をまとめ、階下に降りる。ロビーではご主人がテレビのニュースを見ていた。
「大丈夫ですか?」と訊くと、「大丈夫ですよ」との返事。でも、用心はした方がいい。
来年の再会を約し、皆と別れる。
私は家族への土産だけ買っていこうと思い、那珂湊の魚市場に寄った。横殴りの雨。とてもゆっくり見て回ることは出来ない。
先日、岐阜から来たT君が買っていった、イカの一夜干しとみりん干しが美味しそうだったので、それを購入。店の人は「津波警報が出てるって貼り紙しといた方がいいかな」などと言い合っている。私はそそくさと車に戻った。
後から次々に買い物客の車が入ってくる。日曜日、かき入れ時なんだな。でも、1mの津波でも冠水しそう。商品は大変なことになるだろう。無理はしない方がいい。(翌日、新聞を見たら、昼で閉店にしたそうだ。)
この天気ではどこかに寄って散歩もできない。まっすぐ帰ることにする。
涸沼を過ぎた辺りで、雨は雪に変わった。みるみるうちに辺りが白くなっていく。強風、津波警報、横殴りの雨、最後は雪か。めまぐるしい展開だったなあ、そんなことを思いながら、私はひたすら家に向かうのだった。

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