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2010年7月18日日曜日

鈴本7月中席昼の部

さて、鈴本7月中席昼の部の話だ。
入ったのは1時頃。平日の昼にしては、そこそこの入り。
後ろの方に座ると、林家彦いちが出てきて「権助魚」を始める。新作派のイメージがあるが、噺の骨格がしっかりしてきたように思う。
お次は古今亭志ん輔。志ん朝門下の中では華がある。ネタは「ガマの油」。私はこの人の酔っぱらいが好き。軽くてデフォルメがきいていて、いい。
柳家喬之助は「宮戸川」。噺家臭さがない。悪く言えば素人口調だが、この現代的な演出にはよく合っている。
大空遊平・かほりの漫才。しっかり者の妻と頼りない夫との掛け合いが売り物。ライトグリーンのワンピースとネクタイがお揃いだ。本当は仲が良さそうなところがいいな。
柳家喜多八、「いかけ屋」。ダルな雰囲気を売りにしているが、噺に入ると威勢がいい。悪童どもに取り巻かれ、パニックになっていく商人たちが楽しい。
ギター漫談のペペ桜井は自らを「絶滅危惧種」と呼ぶ。貴重な存在。面白いよ。寄席でこの人が出てると得した気分になる。
仲トリは柳亭小燕枝。演目は知らない。登場人物が全て強情者で、金を借りるとか返すとかで、もめるお話。この人の古風な佇まいが好き。「待ってました」の声がかかる。根強いファンがいそう。もっと脚光を浴びてもいい人だと思う。
くいつきはレッドカーペットでブレイクしたロケット団の漫才。三浦のボケに磨きがかかってきた。ナイツといい、こういう東京の若手の漫才が注目されてくるのは嬉しい。いつまでも寄席の高座を大切にしてほしい。
売れっ子、柳家三三登場。次代の名人候補だ。「高砂や」をさらりと演じる。風格が出てきたな。自分は上手いという自覚がある。
橘家文左衛門は「手紙無筆」。落語家には寄席でずっと同じネタをかけ続けるタイプがいる。先代馬生なんか「しわいや」ばっかり演っていた。文左衛門もここのところこれしか聴いていない。でも、噺が動いている。噺と遊んでいる感じ。スケールの大きさを感じるな。
膝代わりはダーク広和の手品。微妙なネタを好んでやる人だ。おやおやと思っているうちにするすると引きつけられていく。
そして、トリは柳亭燕路、「夜鷹そば屋」。先代古今亭今輔の十八番、「ラーメン屋」を古典の舞台に焼き直したもの。もともと軽妙で明るい口調が持ち味の人だが、人情噺風のネタをしっかり笑いを取りながら、手堅く進めていく。涙ぐんでいる人もいた。聴き応え充分。来てよかったという気持ちになった。
別にしんみりした噺でなくてもいいけど、トリには「来てよかったなあ」と思わせてくれるような噺を演ってほしいよね。

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