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2010年8月1日日曜日

そうだ、池袋へ行こう


1日フリー。柳家小三治が池袋でトリをとることが分かっていたので、決意する。そうだ、池袋へ行こう。小三治を聴きに行こう。
今日は町歩きはなし。まっつぐ池袋に向かう。
柳家小袁治のHPのよると、柳家小三治がトリを務める寄席が連日超満員なのだそうだ。
NHKの特集番組への出演、その後のドキュメンタリー映画の公開以後、市場における小三治株は高騰している。古今亭志ん朝が死に、立川談志が老いた今、最も良質な東京落語を聴かせてくれるのが、小三治なのだ。無理もない。
富士そばで冷やしたぬきそばをかっ込み、行列に並ぶ。帽子を被り、水を用意し、タオルを首に巻く。熱中症対策は万全だ。1時間前なのに、結構な行列。しばらく並んでいると、席亭さんが「ここは立ち見です。かなりぎゅうぎゅう詰めですよ。」言う。そうなのか。でも連れはいないし、今日を逃したら、いつ小三治が聴けるか分からない。入れればよしということにする。今日の最重点目標は小三治を聴くことにあるのだ。
列に並びながら辺りを見渡す。私は30年前、大学時代、旧池袋演芸場によく行った。角にあるケンタッキーフライドチキンは、当時、吉野家で、よくそこで腹ごしらえをしたものだ。旧演芸場は現在の向かいにあった。雑居ビルの2階だか3階だかにあり、当時としても珍しい畳敷きの席だった。その頃は並んだことなどなかったなあ、と感慨にふける。
そうこうするうちにチケットを購入。その際も「立ち見ですけどいいですね。」と念を押された。
客席にはいると、本当にぎゅうぎゅう詰め。私は真ん中のいちばん後ろに立っていた人の前の床に座る。正座をしないと高座は見えない。まあいい。覚悟は出来ている。
小三治は随談風のまくらをふった後、「一眼国」を演った。まくらは相変わらず面白かったが、自分の思いと口から出る表現にギャップがあったらしい。猛暑で体調も万全とはいかなかったようだ。でも、私にとっては至福の30分間でしたな。
10年ほど前、同じ池袋演芸場で小三治の「一眼国」を聴いた。その時は開演と同時ぐらいに着いたのだが、混んではいたものの十分に座ることが出来た。志ん朝のトリの時もそうだったし、30年前の談志がトリの時などは、前座が上がる頃に行けば好きな所に座ることが出来たものだ。
10年前と同じ演者、同じ演目でこうも状況が違うものかねえ。需要が高ければ、市場での価値はとてつもなく上がる。資本主義の典型を見る感じでした。
こういう一点集中主義的傾向は、これからも続くんでしょうねえ、きっと。
― 寄席の感想は後日書くことにします。

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