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2013年6月27日木曜日

陶淵明『飲酒』

漢詩では陶淵明の『飲酒』が好き。
これはもともと連作だが、有名なのは「其の五」である。
私もやっぱりこれが好き。引用は岩波文庫から。
  

  結廬在人境  而無車馬喧
  問君何能爾  心遠地自偏
  採菊東籬下  悠然見南山
  山気日夕佳  飛鳥相与還
  此中有真意  欲弁已忘言

(人里に廬を構えているが、役人どもの車馬の音に煩わされることはない。
「どうしてそんなことがあり得るのだ」とおたずねか。
なあに、心が世俗から遠く離れているため、ここも自然と僻遠の地になってしまうのだ。
東側の垣根のもとに咲く菊の花を手折りつつ、ゆったりとした気持ちで、ふと頭をもたげると、南方はるかに廬山のゆったりとした姿が目に入る。
山のたたずまいは夕方が特別すばらしく、鳥たちが連れ立って山のねぐらに帰って行く。
この自然の中にこそ、人間のありうべき真の姿があるように思われる。しかし、それを説明しようとしたとたん、言葉などもう忘れてしまった。)

いいんだよなあ。
肝は、俗世にいながら世俗を離れているってことかなあ。
自然とともに生きる日常の生活の中に「真意」がある、そんなふうにとろとろと酒に酔いながら思えるのは、幸せなことだと思うよ。
そうだ、これが私の原点だったのだ。しばらく忘れていたな。
季節季節の美味しいもので酒を飲み、妻や子どもを愛し、自分の好きな仕事をする。これでいいんだ。ひとつひとつを誠実に、人生の苦みも味わいながら、一日一日を大切に過ごしていこう。
そうだ、これでいいのだ。

写真は、昼飲みのハートランド。

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