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2023年6月16日金曜日

「桂小文治十八番創りの会」

「桂小文治十八番創りの会」のご報告。

トップバッターは、小文治門下、桂しゅう治。パンフレットでは『手紙無筆』だったが、当日変更で『金明竹』。すっきりとした口調、端正な佇まい、いかにも小文治さんの弟子らしい。着実に基礎を固めてきたという感じ。二つ目になったらいかに自分の個性を出していくか、ということになるのだろうが、個性は勝手に出てくるものでもある。自分の信じる道を堂々と歩んで行ってもらいたい。

二つ目は春風亭柳橋門下、春風亭弁橋。住吉踊りのメンバーだという。小文治さんもメンバーだった。古今亭志ん朝が浅草演芸ホールでお盆の興行をしていた時、見に行った。小文治さんの所作がきれいなのは、踊りをやっているからだと思う。彼にも、踊りは大切にしてもらいたい。ネタは『堀の内』。明るく軽い。ふわふわしてる。でも、上手いと思うよ。今の若い人は達者だ。芸術協会のHPを見ると、落語が好きで好きで落語家になったことが分かる。落語を終えて「なすかぼ」を踊った。

ここで真打登場。小文治さんの『たがや』。やっぱり高座の空気が変わるなあ。丁寧に枕を振り始める。「た~まや~」のロングトーンボイスはさすが。小文治さんの『たがや』は、お侍が斬り殺されない。供侍は川に放り投げられ、殿様は馬に蹴り上げられる。殿様の体が宙天高く舞い上がって、そこで、サゲ。首が飛ばない『たがや』を初めて聴いた。お客様に陰惨な場面を見せない配慮がそこにある。

ここで中入り。ロビーでOBの集合写真を撮る。

中入り後は、桂小すみの音曲。彼女もまた小文治門下。喋りが面白い。また、三味線が好きで好きでたまらない、というのが伝わってくる。ピュアな人なんだな。令和4年度花形演芸大賞の大賞を受賞した実力者。最後は尺八で「アメージンググレイス」。多才な人だね。

そしてお待ちかねのトリ。桂小文治さん『鰻の幇間』。型は志ん朝だな。きれいで程がいい。それでいて、独自の工夫が随所に見える。酒の銘柄と掛け軸のクスグリには爆笑。鰻屋の女中が、その家のおかみさんという設定だ。東京での落語をたっぷり堪能した。


終演は21時15分。新橋から21時35分発の電車に乗れた。これならいけるな。また、時間が合えば行こうと思う。

 

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