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2011年5月11日水曜日

日本酒の旨さ

前回、私は日本酒を愛飲していると書いた。
その、日本酒を最初に旨いなあと思ったのはいつかと、今夜、埼玉の銘酒「神亀」を飲みながら、つらつら思い出してみた。
そうだ、あれは大学4年の時だった。箱根のホテルでバイトをした時、たまたま「全国地酒大会」というイベントをやっていたのだ。
バイトの最終日、私はイベント会場へ行って、「越乃寒梅」はありませんか、と訊いた。当時の私でも、この幻の銘酒の名前は知っていたらしい。
担当の人は、「ないよ」とにべもなく答えた。
私はなおも食い下がった。「父親に土産にしようと思って。では、何か旨い地酒はないですか?」
すみません。嘘をつきました。もちろん、自分で飲むつもりだったのだ。
担当の人は、ちょっと私に同情してくれたらしい。「じゃあ、『鶴の友』がいいんじゃないかな。同じ新潟の地酒だよ。」と勧めてくれた。
私が喜んで購入したのは、言うまでもない。
私は、その足で東京に帰った。そして、狛江の駅から30分ぐらい歩いたところにある、同輩の悟空君の寮に行った。
そこで、私は買ってきた「鶴の友」で酒盛りをしたのだ。
旨かったなあ。鼻腔に立ち上る芳醇な米の香り。すっきりとした喉ごし。日本酒特有のべたつきも後味もない。私はこの酒で日本酒の旨さに開眼したと言ってもいい。
今にして思えば、あの、いわゆる端麗の味わいは、新潟の酒の特徴だったな。就職してから職場の先輩にご馳走になった「越乃寒梅」も、後に愛飲することになった「吉乃川頒布限定純米」も方向性は同じだった。「久保田」、「〆張鶴」、「萬寿鏡」もそうだな。
私もあの頃より大分歳をとったので、端麗だけを愛しているわけではない。日本酒の世界は、もっと多様で豊かなことを知っている。
どっしりとした米の味(「神亀」だな)。上等な和菓子のような透明な甘さ(「霧筑波」がこれにあたる)。樽酒の木の香(「住吉」がいいねえ)。
そればかりじゃない。居酒屋で逆さに突っ込まれた一升瓶から出てくる、やたら熱い燗酒だって、そういう雰囲気で飲めば旨いのだ。
上手さを突き詰めれば桂文楽だが、そこを突き抜けると古今亭志ん生に至る。酒もそういうものなのかもしれない。
これからも、旨い酒を飲んでいきたいな。そのためにも、体を大事にしないとね。

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