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2016年12月26日月曜日

笠間稲荷の千社札・奉納額

以前、笠間稲荷神社の東門にある奉納額について紹介した。
他にも境内に絵馬殿という建物があり、多くの奉納額が掲げられている。

改めて見ると、瓦の重い屋根を柱だけで支えている。
よく震災で崩れなかったものだ。

ここで落語関係のものはないか眺めていたら、まず千社札で見つけた。
それが、これ。



橘右近のが、2枚も貼ってあった。
橘右近。明治36年生まれ。初め浪曲師として芸界に入るが、大正11年、柳家さくら(後の三代目つばめ。漫談の宮尾たか志の実父である)に入門し、落語家に転向する。柳家龍馬からさん三、昭和14年には橘右近と改名した。同21年、師匠の名前さくらを継ぐも、2年後には橘右近に戻す。
昭和24年に落語家を廃業。寄席文字を専業とする。専門職としての寄席文字書きは、とうの昔に途絶えており、残された資料を基に、彼は独学で自らの書体を確立した。
昭和40年には八代目桂文楽の勧めで「橘流家元」を名乗った。現在の寄席文字の源流を辿れば、すべてこの人に行き着く。
大学時代、落研で寄席文字書きをしていた私は、しばしその筆跡に見惚れていました。

そして、この奉納額。


上段右端、「大根がし・三周」と書いてある。とくればこれはもう、三遊亭圓朝の名跡を預かる、落語三遊派宗家の始祖藤浦三周(本名、周吉)その人である。
いやここでこの名前を発見しようとは思わなかったなあ。

やっぱり笠間稲荷は宝の山だねえ。

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