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2016年3月15日火曜日

友川カズキは元気だった

先日、録画しておいた「フォークソング出張ゼミナール」というBS・NHKの番組を観た。
なぎら健壱と坂崎幸之助が講師で、日本のフォークの歴史を辿るといった内容。蒲田にある日本工学院専門学校の教室を使って、まるで大学の授業のように進行する。プロジェクターを使って映像を流し、時折二人がギターを弾きながら歌う。お客というか生徒というか、聴衆は見事に中高年がずらりと並んでいる。(たまにとんがった若いお姉ちゃんの姿が見える)
ゲストは友川カズキ。久し振りのテレビだが、相変わらずの自然体だ。ジャケットの胸ポケットには赤ペンが差してある。たぶん競輪の予想に使うんだろうけど、赤ペン差してテレビに出る人はあまりいない。出番まで、蒲田の駅前で飲んでいたらしい。飲んでる所で声を掛けられて、ふらっと立ち寄った感じだ。(友川のホームグランドは多摩川の向こうっ側の川崎だし)
前にも書いたが、私が学生時代に住んでいたアパートは、友川が住んでいたアパートと番地が1つしか違わなかった。私は友川が普段酒を買っていた三玉酒店で酒を買い、銭湯では一緒の湯船に浸かったこともある。(だからといって交流はなかった。私は彼の熱烈なファンではあったが、声を掛ける勇気はなかったのである)
あの頃は、友川も鋭い目をしていて、生き急いでいる印象があった。モーニングビールに始まり、夜まで飲み続けるような生活をしていると何かで読んだ覚えがある。破滅的天才詩人のような彼の生活に、私は憧れた。
そんな友川も今年で66歳。もうじいさんだ。初対面のなぎらに首を絞められた話をして、爆笑を誘う。変に馬鹿丁寧な秋田弁で、けっこう辛辣なことを言うのが可笑しい。飄々としていい味を出している。
で、その後、代表曲『生きてるって言ってみろ』を歌うんだけど、これがまあ凄い。ただならぬ雰囲気は昔のまま。ギターの弦を3本ぐらい切っちゃって、コードも意味をなさない有様。坂崎幸之助がいかにもやりづらそうにバックを務めていた(なぎらは最初から逃げた)。友川の方で合わそうなんて気はさらさらないんだもんな。(この間亡くなった橘家圓蔵が、正月番組で今の三平相手に大暴れしてたのを思い出したよ)
友川には、「死」や「孤独」「絶望」を歌いながら、それに飲み込まれない強靭さがある。私は昔友川について、「死なない太宰を見てみたい」と書いたことがあるが、まさにそんな風に齢を取ってくれた。学生時代のようにのめり込むことはないと思うけど、これからも長く聴きつづけると思う。取りあえず、友川カズキが元気で嬉しかった。
番組自体も、なぎらと坂崎の薀蓄バトルが楽しいし、紹介される曲も幅広い。これからもチェックしていきたい番組だ。今度は三上寛も見てみたいなあ。NHKさん、ひとつよろしくお願いします。

胸ポケットにしっかり赤ペン差しております。

歌ってる時は枯れてない。全開だ。

必死で合わせる坂崎幸之助。
合わせる気なんて全然ない友川カズキ。



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