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2021年7月4日日曜日

雨の日曜日


朝、御飯、味噌汁、卵とハムの炒めもの、海苔の佃煮。

今日も雨。コーヒーを飲みながら、ビーチボーイズ『ペットサウンズ』、ボブ・マーリィ・アンド・ザ・ウェイラーズ『バーニン』、サイモンとガーファンクルのベストを聴く。S君の作品集を読む。

作品集のラストを飾るのは「第一回山の上大学文学部国文科ゼミ対抗ソフトボール大会」「卒業旅行」「夜の訪問者—「卒業旅行」後日譚 谷の話」の三部作。いずれも大学時代に材を取った青春群像の話である。私も「伝助」「デン助」で登場している。お調子者だが落語には真摯に取り組んでいる落研部員という役どころだ。「谷」は高山T君がモデル。巻末の作品では堂々二枚目で主役を張っている。

私が思い入れが強いのは「卒業旅行」である。ここで「デン助」にいい役を振ってもらった。皆が寝た後、独酌で酒を飲みテレビの落語番組を見ながら「芝浜」の演出を考える。そしてふと思い出したように苦く笑って「馬鹿だなあ。俺は噺家の道を断念したんじゃないか」と独りごちるのだ。泣かせるねえ。昼間、曾我の五郎・十郎・虎御前の供養塔前で滔々と故事来歴を述べて「落語をやるものは、古典に精通してなきゃいけねえ」なんてことも言っているが、実際は供養塔の解説は高山T君がしてくれた。彼は旅行の前には必ず予習をして来る。彼の手柄を横取りしたようで心苦しいが、「後日譚」でT君は可愛い後輩の女の子に惚れられる役をやっているので、ま、いいか。

「卒業旅行」は、小田原城公園の動物園で、主役の良平(S君がモデル)と児島との会話で終わる。いい場面なので、引用しよう。


「暖かくて、晴れたいい、日だね」

「うん。いい日だ」

「こんな日が永遠につづくといいのにね」

 良平は児島の横顔を見た。彼は青空を見上げて微笑んでいた。良平も青空を見上げたが、降り注ぐ陽光が眩しくて、思わず目を細めた。


「児島」のモデルは、先年亡くなったK君(「K君を悼む」参照)である。この場面を読むと、不覚にも泣いてしまう。


昼は炒飯を作る。味付けは魔法の調味料、香味シャンタン。

午後からちょっとだけ石岡を歩く。雨がぱらつく。







帰りにファミリーマートでシュークリームとビールを買う。

あやつにシュークリーム。夕方ビール。

夕食は伯母さんからいただいた鯛の切身を塩焼きにする。他にサラダ、粉ふきいもでビール、酒。食後に妻と白ワイン。

夜になってまた雨が降り出す。


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